【前回のコラム】「「チームリーダーには“上の役職からの視座”と“意味付けする力”が必要」—イノーバ 宗像社長に聞く」はこちら
このコラムでは、企業のトップに対して、人材育成について考えていることや実践していることを聞いていく。その中で、「マーケティング思考ができて、なおかつ実際に行動に移すことができる人材」を育成するにはどうすればいいのかを探っていきたい。
今回は、流通業界に広くマーケティングサービスを提供している、カタリナ マーケティング ジャパン 代表取締役社長 若林 学 氏に伺聞いた。
カタリナ マーケティング ジャパン 代表取締役社長 若林 学 氏
いま、なぜ「マネージャー」ではなく「リーダー」が必要とされるのか
——貴社がリーダーに対して“求めている力”とは、どのようなものでしょうか?
その前に、なぜ最近「リーダーシップ」がクローズアップされているのか、その理由について考えたいと思います。「リーダーシップが大事」と言われるようになったのはここ10数年くらいのこと。それ以前は「マネジメントが大事」と言われていました。
では、この10数年で何があったのかというと、「今までにはなかった会社」がたくさん出てきた」んです。例えばApple。もちろんそれ以前から会社としてはありましたが、2007年にiPhoneを発表してから急激に伸び、10数年前までとはまったく別の会社になりました。それ以外ではFacebook、Googleなどもそうでしょう。つまり、今まで何もなかったところに、全く異なるコンセプトを持ち込んで、イノベーションを起こした企業が急激に伸びています。このように経済のグローバル化が進み、さらにデジタルテクノロジーが台頭したことで、昔は立ち上げるまでに10年~20年かかっていた事業が、それこそ半年~1年でできるようになり、「スピード」が大変重要になりました。
マネージャーではなく、リーダーが必要とされているのは、このようにスピードが求められるようになったからだと思います。マネージャーの仕事というのは、どちらかというと「すでに決まっていることをどうやってより良くやるか」という、因数分解による改善です。しかし、これから人口減少が確実で、経済規模が縮小していく日本で、そうした守りの姿勢では成長は望めません。だから、スピーディーに動けて「ゼロから新しいものを生み出せるリーダー」が必要とされているのです。
——「マネージャー」と「リーダー」では求められる資質が違うというのは、とても納得できます。現状、効率化や最適化というよりも、「無人の荒野を自分が開拓していく」という人材がより求められていると感じます。
そうですね。このように“守り”ではなく“攻め”が必要とされる状況で大切なのは、何がやりたいのかがはっきりしていることです。リーダーに必要な力というのは、「自分のやりたいことを決めて、それに情熱を傾けられる力」です。自身の行動に情熱をこめて、その熱量で周りを引っ張っていける。それが次世代のリーダーに必要な条件だと思います。
「企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方」バックナンバー
- 「自分が感動できるような仕事をすること」——Kaizen Platform, Inc. 須藤CEOに聞く(2015/8/26)
- 「『俯瞰で捉える力』を生かしプロとしての専門性を高めてほしい」——メジャース 山本社長に聞く(2015/7/07)
- 「プロとしての誇りを持ち、もっと自らを肯定して仕事に臨んでほしい」ーベクトル西江社長に聞く(2015/6/10)
- 「新卒研修を半年実施し高い目線で考えることを学ぶ」——ネットプロテクションズ 柴田社長に聞く(2015/5/22)
- 「与えられたポジションに対して力が足りないほど、その差を埋めるスピードはあがる」――エンターモーション 島田社長に聞く(2015/4/30)
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