コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「情熱をもって行動し、その熱量で周囲を引っ張っていけるのがリーダー」——カタリナ マーケティング ジャパン 若林社長に聞く

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失敗は新しい変化を呼び込むチャンス

——最近の社会動向などで注視していることはありますか?

グローバル化が進む現代で、日本だけが少し孤立しているように感じていて、それを懸念しています。あえて言うなら、日本特有の内にこもる風潮が強くなってきているというか、内輪だけで「日本ってすごい!」と言っているのではないかと感じる時があります。
例えば、日本には200年以上続いている企業が3000社以上あります。世界で創業200年以上の企業は7000社程度ですから、実に40パーセント近くが日本企業なのです。これだけ長く続いているのは、時代の変化に対応してきているからなのですが、ともすると「変わらずに長く続ける」ことが大切だと勘違いしてしまうことがあります。そうなると失敗を怖がってチャレンジしなくなり、衰退してしまう。
実は、失敗したときは新しいことができるチャンス。そう捉えてチャレンジできるよう、常にあらゆることを想定できる視野の広さが大事なのです。だから、「日本だけが」と内向きにならず、もっとオープンに外に意識を向ける風潮になってほしいと思っています。

——貴社の今後の動きについてお聞かせください。

当社が現在力を入れているのは「プレディクティブ・データマイニング・ターゲティング(Predictive Data-mining Targeting)」、つまりデータ分析による予測です。今までは「特定商品を買った人に、次回、同一商品を複数買ってもらう」とか「同じカテゴリの別の商品を勧める」といった形で展開してきました。今後は、「この人は今までこのカテゴリで購入したことはないけれど、これまでの購買履歴から予測すると、商品のコンセプトが合うので買うのではないか」といったターゲティングによる施策もできるようになります。こうした分野で新しいサービスやプロダクトを出していく予定です。

また、新しいアライアンスのかたちの模索もしています。日本だけだと市場は1億2000万人ですが、世界に目を向けると70億人です。それだけの規模になってくると、自社だけですべてを提供することは難しい。ライバル企業が単純に「競争相手」であるだけではなく、「協奏相手」にもなり得ると考えて、アライアンスを考えていきたいと思います。

もう一点、これまで以上の便益をリテール側に提供する必要があります。流通にとって「オムニチャネル化」への対応は大きなテーマですが、いざ取り組もうとすると、情報の管理など非常に手間とコストがかかり、自社だけではやりきれなかったりする。その点のサービスを提供する必要があると考えています。

消費者、リテール、メーカー、三者ともこれまで以上にお得で便利で役立つものを要求しています。我々は高い次元で、それら三者が「win-win-win」となる結節点をつくっていかねばなりません。今はそのための調整および実現に向けたイノベーションを探っているところです。

若林 学
カタリナ マーケティング ジャパン 代表取締役 CEO

外資系コンサルティング企業に10年間従事。その後、消費財・小売業界に特化した戦略コンサルティング・ファームであるカート・サーモン・アソシエイツ(KSA)アトランタ事務所に入社。KSA日本事務所を開設し代表ディレクターに就任。経済産業省審議委員/百貨店協会アドバイザリー・ボード・メンバー等公職の場でも活躍。2006年1月、カタリナマーケティングジャパン株式会社入社と同時に現職。

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