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コラム

健康・医療・美容でビジネスをするためのコラム

健康機能性食品をマーケティングしてみる——ヘルスケアビジネスは、いつもとなりにずっといる第3回

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エビデンスの《質》をマーケティングする時代に!

クライアント企業のマーケティング担当者から、「西根さんの豊富なネットワークを駆使してもらって、…ですねぇ、○○医師推薦とか、○○協会推奨とか、そんなお墨付きもらえるような当てはありませんか?」と聞かれることがあります。こういう方に対しては、決まり文句のように、「エビデンスには《質》というものがあります!」と答えています。
エビデンスの《質》が、消費者行動の意思決定における、もう一つの“ものさし”になっていくのですから。
エビデンスの質は、エビデンスの《レベル》と、推奨の《グレード》の2軸によって表わすことができます。つまり、エビデンスができるまでの「確からしさ」と、エビデンスができたあとの「おススメ度」のことです(図)。たとえばの話。STAP細胞は、「確からしさ」に劣り、エビデンスは再現されませんでした。となると、エビデンスを適応させていく先もないわけです。一方のiPS細胞は、「確からしさ」に優り、エビデンスを再現することができます。さらに、エビデンスを応用し、それを適応させていく先も豊富に考えられるということです。このように、この両者のエビデンスの《質》の違いは明らかです。

食品機能性表示制度が施行されたあとは、エビデンスの《質》の表示について企業責任が問われます。一方、消費者は、世の中にあふれる健康食品のエビデンスの《質》は商品ごとに異なるんだということを前もって知り、エビデンスの《質》の違いを理解したうえで、商品を購入しよう!を話題にします。「エビデンス・ソムリエ」なる者が店頭に現れるかもしれませんね。
そんな動きが、もう始まろうとしています。商店に行けば「大特価」という札が目につきます。フトコロぐあいにお得です。これからは「大恩恵」みたいな札が目につくようになるでしょう。カラダづくりにお得です。流通業界は、それを見込んで動き出していますよ。

※最終回は「LOVEソングならぬHEALTHYソング!?」です。


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西根 英一氏 
マッキャンヘルスケア ワールドワイドジャパン CKO(最高知識責任者)

健康・医療・美容のマーケティング戦略とコミュニケーション設計を専門とする。マッキャンヘルスコミュニケーションズCKO(最高知識責任者)、千葉商科大学サービス創造学部非常勤講師(「健康サービス論」「調査法」ほか)。日本広告学会、日本臨床腫瘍学会の正会員、日本メディカルライター協会、日本医学ジャーナリスト協会の協会員。厚生労働省「すこやか生活習慣国民運動」(健康日本21)の推進室室長等を歴任。3月に、宣伝会議から『生活者ニーズから発想する 健康・美容ビジネス「マーケティングの基本」』が刊行。