コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

VODは入り口にたどり着いたにすぎない。dビデオのリニューアルから未来は見えるか?

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自分が何を見たいかわからない問題

こうした状況が徐々に変わっていきます。まず2008年11月にフジテレビが最新ドラマを放送後に有料で配信しはじめました。ある連ドラが話題になっていたら、第1話第2話を有料で見て追いつくことができるようになったわけです。テレビ局が最新のドラマをVODに出すのは、その後当たり前になっていきます。

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2010年11月にはAppleTVが日本でも発売開始。テレビにつないで楽しむVOD端末の日本登場は、2005年以来待ち望んでいたニュースでした。それにさくさく動いてだんぜん操作しやすい。ただAppleTVは映画のみです。それにこの時点では少し前の作品が中心。劇場で公開され、半年ほど後にDVDが発売され、さらに数カ月後にVODでも視聴できる、という流れ。それが2011年2月の『踊る大捜査線 THE MOVIE3』のDVD発売時には、同時にAppleTVでも配信を開始しました。これもフジテレビの英断です。DVDと同時にVOD配信をする先例となりました。このあとは、少しずつ同時配信が一般化しています。

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2011年9月にはhuluが日本でのサービスを開始。月々定額で映画やドラマを見放題という、SVODの先べんをつけました。PCでもスマホでもタブレットでも同じアカウントで視聴できるのも便利。しばらくしてからAppleTVでもhuluが視聴できるようになり、テレビでSVODが楽しめるようになったのです。

そのhuluは2014年4月に日テレが買収し、コンテンツをさらに拡充しているのは皆さんご存知の通りです。会員数が100万人を超えたとつい先日発表されましたね。一年で40万人増やしたのはさすがです。

筆者の生活でもAppleTVとhuluは欠かせない存在となりました。10年前にアメリカの状況をうらやましく思ったのも今は昔。満ち足りたVODライフです。もうレンタルDVDに慌てて行くことはなくなりました。家にいながら何だって見れちゃう!・・・いや、でも実は大きな問題があります。

某番組風に言うと「自分が何を見たいかわからない問題」が発生しているのです。

筆者は毎週末の夜、AppleTVを起動し、新作を探します。Huluも見て回ります。あれを見ようか、これにしようか、でも決め手がない。などと悩んでいるうちに30分とかすぐに経ってしまい、結局何も見ずに寝てしまう。そんなことが増えています。せっかく夢に見たVOD生活なのに、いざ環境が整うと、何も見ない。奇妙な矛盾に陥っています。「自分が何を見たいか教えてほしい」こんなわがままな欲求に応えられないと、退会者が続出しVODはほんとうに普及していかないでしょう。

次ページ 「さて、こんな風に理想のVODを求めてきた筆者から見て」へ続く

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