メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

広報パーソン必見!横山秀夫さん原作『64』ドラマ化完全ガイド

share

現役の新聞記者が証言
『64』のここがリアル

解説/全国紙記者Tさん(30代男性)

『県警記者クラブ』

とにかく地方県警の記者クラブの雰囲気がリアル。地元紙のベテラン記者は発言力が強く、加盟全社が参加する「クラブ総会」の場面でその力関係がよく描かれている。また、広報室の若手女性警官は優秀かつ美女が多く、記者と結婚した前例もある。担当記者と広報室の濃密な付き合いの中でありがちな、仕事とプライベートの混同した微妙な人間関係が登場する。

『報道協定』

身代金誘拐事件など報道活動が被害者の生命を左右しかねない重大事件が発生した場合、解禁日時まで取材や報道を一切しない代わりに県警側から情報を全面提供する約束を交わすルールがある。現実には経験者はほとんどいないが、本社から来る大量の援軍、レクの度に飛び交う怒号、真夜中まで続く記者会見など実際に発生すれば想像に難くない事態と言えそう。

『匿名報道』

容疑者や被害者の名前が匿名発表され、県警との間でもめるというのは地方県警経験者の誰しもが通る道。警察は「権利擁護」を目的に、未成年や知的障害者など何らかの理由がある人を匿名で発表するため、実名報道を基本とする報道各社と衝突することがしばしばある。基準が徹底されていない場合もあり、広報室にとっても組織内調整が生じる重要な仕事だ。

『独白の意味』

「これは独り言だけど…」というキーワードに記者は敏感に反応する。捜査に関わる人にとって捜査情報は漏らしてはいけないものだが、義理人情でヒントを教えてくれる場合もある。作品内では記者ではなく、主人公の広報官・三上が元上司から聞き出すのだが、捜査当局と内情を探る部外者との間の緊張関係を物語る一幕で、事件記者としてはテンションの上がる場面だ。

【関連記事】
『64』主演・ピエール瀧さんインタビュー「広報って大変な仕事でした…」
広報官役・ピエール瀧さん「5回は見直した」と太鼓判——ドラマ『64』
「広報担当の葛藤を描いた」ドラマ『64』プロデューサーが語る制作秘話