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コラム

健康・医療・美容でビジネスをするためのコラム

LOVEソングならぬHEALTHYソング!?——ヘルスケアビジネスは、いつもとなりにずっといる第4回

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何がウケるか?

なかなか成就しない点では、恋愛も健康も同じ道を歩みます。だから、恋ごころの切なさや、イケない恋に嵌っていくさまであったりを、単純に健康行動ネタに変えてしまえばいいのです。
やり遂げられない心の機微や、してはいけないと思いながら深夜ラーメンをすする自虐感であったりを謳い上げるのです。

だってその証拠に、僕らは健康行動をとる時、その行動の一つひとつをいちいち天秤にかけて、面倒だの、時間がないだの、お金がかかるだの、遠いだの、雨が降っているだの、汗かくのがヤダだの、明日からにするだのと、つべこべと御託を並べて、“拒否る”理由を探したりするわけです。きっと、いろんなシチュエーションの設定が可能です。
結局、誰のために?何のために?という目的化が難しいため、ついつい損得勘定が働き、「僕がいままさに取ろうとしているこの行動は、インセンティブ(利益ないし純便益)だろうか、ディスインセンティブ(不利益ないし負担)だろうか」と、意思決定のものさしのプラスとマイナスの目盛の間を行き来したりしています。結果、やったり、やらなかったり。やってみたものの、続かなかったり。なのです。

こういったことから、HEALTHYソングのゴールを考えると、「HEALTHYソングは、(その楽曲の提供をもって)健康利益の確実性を向上させるためのものである」と定めることができます。そんな点からすれば、健診(検診)率を上げるプロモーションは、うってつけのネタです。知ってますよ、全国各地の都道府県で、ご当地ミュージシャンによる「HEALTHYソング」が生まれつつあることを。

※ヘルスケア(健康・美容)でマーケティング理論に触れた初の本が、西根英一著、『生活者ニーズから発想する 健康・美容ビジネス「マーケティングの基本」』です。本の一部を紹介する当シリーズは今回が最終回です。お読みいただき、ありがとうございました。


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西根 英一氏 
マッキャンヘルスケア ワールドワイドジャパン CKO(最高知識責任者)

健康・医療・美容のマーケティング戦略とコミュニケーション設計を専門とする。マッキャンヘルスコミュニケーションズCKO(最高知識責任者)、千葉商科大学サービス創造学部非常勤講師(「健康サービス論」「調査法」ほか)。日本広告学会、日本臨床腫瘍学会の正会員、日本メディカルライター協会、日本医学ジャーナリスト協会の協会員。厚生労働省「すこやか生活習慣国民運動」(健康日本21)の推進室室長等を歴任。3月に、宣伝会議から『生活者ニーズから発想する 健康・美容ビジネス「マーケティングの基本」』が刊行。