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次世代マーケティングの夜明け—ライフサイクルのあらゆるステージでつながり続ける関係をつくる。——「salesforce connections 2015」レポート①

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マクドナルドが取り組むパーソナライゼーション

「アクイジジョン」のケースで紹介されたマクドナルドは世界で日々8600万人以上に利用されているグローバルブランドだ。このブランドが売り上げを拡大するためには、認知獲得を重視した従来型のマス広告ではなく、すでに手元にあるカスタマーのデータを活用し、パーソナライズドした広告の配信が必要とされていた。

特にオンラインで注文できるデリバリーのサービスを開始し、利用可能性の高い見込み客を発見し、そのターゲットに個別最適化した広告配信をしたいというニーズがあり、CRMデータと紐づけたパーソナライズドした広告をツイッターやフェイスブック、リンクトインなどに配信している。

見込み顧客の情報をトラッキングし、リアルタイムに営業に生かす

「セリング」のケースではマーケティングと営業部門を連携させた、フィットネス機器メーカーPRECOR社のB2Bマーケティングの取り組みが紹介された。B2B企業では営業部門が独自にコンテンツやキャンペーンを企画してしまうという課題があるが、この課題をマーケティング部門のコンテンツやデータに営業がアクセスしやすい社内環境をつくることで解決。さらにマーケティング部門が見込み顧客の行動を常にトラッキングし、さらにサイトにアクセスしてくるなど、営業につながる行動が起きた際には、アラートが鳴り、即座に営業部門が電話をかけるなどのアクションを起こせる仕組みを構築している。

老舗玩具メーカーが挑戦するデジタルでの新しい商品体験

MATTEL社では、玩具ブランドごとにゲームアプリを提供している。
http://www.mattel.com/mobile-apps

「オンボーディング」のケースとして紹介された玩具メーカーのMATTEL社は、玩具にデジタルの体験を組み合わせ、商品を購入した後もカスタマーとつながり続け、そのジャーニーをマネジメントする取り組みを行っている。

同社では購入した玩具をより楽しむことができる、モバイルアプリを提供。プレゼンテーションでは、ミニカーのケースが紹介されたが、商品パッケージにあるQRコードを読み取ると、購入したミニカーと同じ車種が登場するカーレースのモバイルアプリのゲームをダウンロードすることができるというもの。

最近の子供たちが玩具ではなく、モバイルゲームなどで遊ぶ時間が増えていることに危機感を抱いた同社では、現代の子供たちに合った新しい商品の楽しみ方を提供。かつ、デジタル空間での体験提供を通じ、低価格帯の商品のメーカーでありながら、購入後までつながり続ける関係を構築し、次なる商品購入のプロモーションにも活用している。

リアル店舗の接客をデジタルでも実現した家具会社

Room&Board社のプレゼンテーションでは、登壇者2名が同時に自分のモバイルから同社のサイトにアクセスした際の結果が紹介された。それぞれのカスタマーに合わせて、サイトに異なるお勧め商品が表示されていることが分かる。

「エンゲージメント」のケースでは、家具を販売するRoom&Board社のケースが紹介された。同社では「Marketing Cloud」のPredictive Intelligenceを利用して、これまでリアルの店舗にてフェイストゥフェイスで実施されてきたような、カスタマー別の適切なリコメンデーションをオンラインでも実現。ソリューションの導入以後、売上29%アップという大きな成果を収めている。

さらにリアル、デジタル双方から得られるデータを統合管理し、カスタマーがどこから接触しても、常に最新のプロファイル情報に基づくサービスを提供できる体制を構築している。すべては企業都合ではなく、「カスタマー・セントリック」の発想に基づく施策だという。

次ページ 「ソーシャル上での行動とCRMを連携」へ続く