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次世代マーケティングの夜明け—ライフサイクルのあらゆるステージでつながり続ける関係をつくる。——「salesforce connections 2015」レポート①

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4つのテクノロジーシフト

なぜ、今カスタマーとつながることが重要視されるのか。その背景にあるのは顧客接点の多様化で、カスタマージャーニーが読み解きづらくなっていることがあげられる。しかしながら、ここ数年でカスタマーと企業との関係性を複雑化させたデジタル、テクノロジーは、またマーケターにとって新しい可能性を切り拓いている。

スコット・マッコークル氏は「テクノロジーが進化した今の時代だからこそ、購入前から購入後まで、あらゆるライフサイクルにおいて、カスタマーとつながり続けることも可能。デジタルマーケティングは夜明け前の状況。新しいカスタマーとの関係づくりが実現できる環境が整ってきた」と話した。

具体的には「クラウド」「ソーシャル」「モバイル」「データサイエンス」の4つのテクノロジーシフトがマーケティングを次世代型に進化させるカギを握っていると言い、これらをいかに統合した戦略を企画・実行できるかが大切だと説明した。

「クラウドにより、大量のデータにリアルタイムにアクセスすることが可能になった。ソーシャルの登場でカスタマーを知り、そしてカスタマーと接点を持てる新しい場所が登場し、モバイルはカスタマーと常につながり続けることを可能にしている。さらにデータサイエンスがカスタマーの体験価値を高めるパーソナライゼーションを実現してくれる。データサイエンスは、カスタマーとの新しい関係づくりにおいて大きな原動力となるものだ」(スコット・マッコークル氏)。

CRMデータと広告配信の連携

スコット・マッコークル氏からは「Marketing Cloud」の機能の強化についても発表された。機能が強化されたのは「Eメール」「ジャーニービルダー」「広告配信」の3点。Eメールは、よりマーケターにとっての使いやすさを強化し、パフォーマンスを向上させた。ジャーニービルダーではマーケティング、販売、サービス、コールセンターなどの直接接点と、これまで複数の部門に及んでいた、カスタマーとの接点を統合的に管理できるよう、バージョンアップが図られた。また広告配信ではCRMデータとも連携。より、広告の効果を高めるターゲティング、さらにターゲットに適したメッセージの配信が可能になったという。

「カスタマーにとってはマーケティング、サービス、セールスなど企業の部門の違いなど関係なく、一体化した体験を求めている。カスタマーとつながり続けるためには社内の部門、そしてデジタルとフィジカルな世界を一体化したジャーニーを実現することが必要。『Marketing Cloud』は、その実現を支援するソリューション」とスコット・マッコークル氏は話した。

データ、テクノロジーを活用し、カスタマー一人ひとりを理解し、そのライフサイクルのステージに応じて、あらゆる接点を通じ、適切なメッセージを配信し、関係を深めていく……。キーノートの後半では、次世代型のマーケティング実現に際し、カスタマーの5つのライフサイクルのステージにスポットを当て、各ステージ別のセールスフォースのユーザー企業のケースが紹介された。

ライフサイクルのステージとは「Acquisition(アクイジジョン)」(新規顧客の獲得)、「Selling(セリング)」、「Onboarding(オンボーディング)」(新規客を購入した商品・サービスに適応させる)、「Engagement(エンゲージメント)」、「Advocacy(アドボカシー)」の5つ。

事例は「アクイジジョン」ではカスタマー別にパーソナライズドした広告を配信している、マクドナルドのケース。「セリング」ではマーケティングとセールス部門をつないで売上拡大を実現した、フィットネス機器のPRECOR社のB2Bマーケティングのケース。「オンボーディング」では、商品の購入後もモバイルを介してカスタマーとつながる接点を構築し、リアルとデジタルを組み合わせた新たなジャーニー構築を実現した玩具メーカーのMATTEL社のケース。「エンゲージメント」では、「Marketing Cloud」のPredictive Intelligence(カスタマーのプロファイル情報にアルゴリズムを結び付け、どのコンテンツがそれぞれの顧客にとって最も魅力的であるのかを予測する技術)を活用。パーソナライズドしたリコメンドを実現する、家具販売のRoom&Board社のケース。「アドボカシー」では「Marketing Cloud」の「Social Studio」を使って、カスタマーの投稿をCRMデータやカスタマーサポートとも連携させたジュエリー販売のALEX AND ANIのケースの5つが紹介された。

次ページ 「マクドナルドが取り組むパーソナライゼーション」へ続く