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月間利用者数1000万人突破のグルメサービス「Retty」、全世界利用者数1億人構想を発表

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一部の“グルメ好き”の人だけでなく、より多くの人にサービスを届けたい――その思いの下、武田氏は短期・中長期の2つの視点から今後の戦略を説明した。

まず、短期戦略としては次の3つを挙げた。

1.サービスロゴの刷新
社会に対してより大きな影響力を持つブランドにふさわしいロゴにリニューアル。「Next」「Happy」「G;lobal」の3つの思いが込められている。

2.70万店の飲食店情報データベースのオープン化
営業時間や電話番号、メニューといった飲食店の情報を企業向けに公開する。まずは、多くのグルメ番組を企画制作するテレビ局や、飲食店に商品を納める飲料・食品メーカーなど、Rettyの既存顧客を対象にスタートし、Rettyが持つ豊富なソーシャルビッグデータを活用したメディアビジネス、プラットフォームビジネスの拡大をめざす。

3.Retty掲載店舗向けの新商品(サービス)の提供
アクセス解析機能や、口コミ投稿ユーザーと直接メッセージでやりとりできる機能などを備えた管理システムを有料で提供する。「国内70店・15兆円規模を誇る外食産業だが、販促費は4500億円と市場規模の3%に満たない。自店に合ったターゲットとつながり、集客することに課題を持つ企業は多い」と武田氏。β版が、すでに数百店舗に利用されているという。

また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてますます増加が見込まれる訪日外国人観光客の需要を取り込むべく、中長期戦略として「Retty2020 1億人構想」を発表。

2020年までに訪日外国人観光客数を2000万人まで増やすことが政府目標として掲げられており、その場合の宿泊・観光・外食などサービス産業における経済効果は7600億円にのぼると言われる(出典:SMBC日興証券資料)。2014年時点の訪日外国人観光客数は1341万人で、そのうち7割が日本食に高い関心を持っているというデータもある(出典:観光庁「観光立国推進基本計画」)。

こうした状況を踏まえ、Rettyは「国内ナンバー1」「訪日外国人満足度ナンバー1」「グローバル20カ国展開」の3つの柱を立て、インバウンド戦略とグローバル展開を推進していく。

1.国内ナンバー1
サービス開始4年で月間利用者数は1000万人を突破し、本格的な拡大フェーズに突入した。今後は2020年に向けて、プロモーションおよび他企業とのパートナーシップを加速させることで、より多くのユーザーを獲得し、2020年までに国内利用者数ナンバー1のグルメサービスをめざす。

2.訪日外国人満足度ナンバー1
Rettyの飲食店情報をもとに、日本の飲食店情報を集約・編集した訪日外国人向けの情報メディアを2016年中にローンチする。まずは、韓国・中国などアジアの数カ国に向け、現地旅行会社などと連携して業務を推進していくとしている。「訪日外国人が求めているのは、日本人(地元の人)が選ぶ店、日本に住む外国人が選ぶ店、日本文化を味わい尽くす店。彼らと店との出会いをサポートすることで、日本が誇る『食』を通じたおもてなしを実現したい」と武田氏。

3.グローバル20カ国展開
スマートフォンの普及率などのインフラ整備状況、先行サービスの有無、ネットで検索する習慣の浸透度、SNSで投稿する文化の有無などを多角的に判断し、「現地の人が、現地の言葉で、現地のグルメ情報を共有できる」サービスを2020年までに世界20カ国で提供開始する。年内に第1弾サービスをアジア地域向けにリリースし、2016年末までに5カ国、2017年末までに10カ国、2020年までに20カ国へと広げていくとしている。

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「グルメサービスの第1世代が『飲食店が発信した情報を掲載する』ものであれば、第2世代は『ユーザーによるレビューで飲食店に序列をつける』ものだった。Rettyが提供するのは第3世代、『ユーザーごとの好みに合わせたおすすめの飲食店情報を届ける』サービス」と、Rettyの差別化ポイントを説明した武田氏。さらなる事業拡大に向け、数年以内に上場する可能性も示唆した。

「国内ナンバー1サービス」に向けた取り組みの一つとして、Rettyは6月29日、LINEとのパートナーシップ契約を締結した。

LINEが同日ローンチした9都道府県(北海道・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・福岡県)・約8500店の飲食店を対象とするネット予約サービス「LINE グルメ予約」で、Rettyに掲載されている飲食店情報や口コミを閲覧できるようにするもので、国内で5200万人(2014年7月現在)と言われるLINEユーザーの流入が見込める。

レストラン・グルメ関連サービスの拡大に向けた協業も開始するという。ユーザー増に向けたその他の企業との連携の可能性については、具体的な社名を伏せたうえで、「例えば、各国旅行会社との連携が考えられる。旅行の計画段階で、宿泊先と合わせて滞在中に訪れる飲食店の予約まで行えるようにすることで、インバウンド向けの施策をより効果的に行うことができるのでは」(武田氏)と話した。