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プラレールアドバンス 人気の裏にはミリ単位の攻防

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嫌い嫌いも好きのうち

『買う5秒前』より「オプションに弱いワタシ」。プラレールの既存レールをそのまま使用できる「プラレールアドバンス」は、車両を買い足せば遊べるので、プラレールを持つ家庭では、同商品を「オプション」と認識、財布のヒモも緩みやすい。

檜垣:ちょうど発売のときに、マクドナルドさんのハッピーセットでプラレールが採用され、その告知でDVDやチラシを入れ、認知度を上げることができました。ところが、生産工場のあったタイで洪水が起き、クリスマス時期に商品がない状態になりました。

草場:こういうピンチは、お客さまはすごく感情移入してしまうもの。そこをどう乗り切るかですね。

檜垣:実は、初回に購入いただいたお客さまから、厳しい反応もいただいている頃でした。チャレンジングな商品ゆえに、プラレールに比べ、小さなお子さんだと車両が乗せにくいと。そこで、この販売がストップしてしまったタイミングで改良を行いました。この時つくったのが、脱線しにくくなるガイドレール。またプラレールアドバンスの対象年齢を3歳から6歳に上げて再発売しました。

草場:批判は、実はいいんですよね。好きの反対は無関心というように、批判しているということは気になっているということ。

檜垣:Amazonやブログなどで酷評されていたレビュアーの方も、再発売するともう1度買っていただいていて、「良くなった」と評価してくださったり。レビューの評価も変わっていきました。

草場:本当は好きだからこそ、自分の思い通りにならなかったり、少し違ったりすると、SNSでつまらない、と書いたりするわけですね。モノを買っている自分をSNSでアピールしたい、というのもモノを購入する動機の一つになっているところがあります。例えば、パンケーキのブームとSNSの隆盛はだいたいリンクする。「こんなに素敵なパンケーキを食べている私を見て」とSNSでアップしていく。プラレールアドバンスもそれに近いものがあると思います。

檜垣:アーリーアダプターなワタシが好きということですね。「プラレールアドバンスを購入してみた」と動画をYouTubeなどにアップされる方も結構います。購入するとまず、箱を見せるんですよ。「買いました、今から開けてみますね」と。プラレールではあまり見られなかったのですが。

草場:プラレールアドバンスが好きなワタシが好き、ということ。自分の存在をやはりアピールしたい、みんなが出演者になりたがっているということですね。


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これ何で買ったんだろ?がスルスル分かる本『買う5秒前』(草場滋著)はこちら