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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

思いを企画にすることを教わった「先輩コース」

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[寄稿者一覧はこちら]

【前回のコラム】「応援部のことで、広告論文を書いてみた。」はこちら

前回のコラムをご覧になってくださった皆様、ありがとうございました。応援が大好きな、コピーライターの近藤雄介です。3回目ということで、応援を離れてコピーライター養成講座の話をします。

生まれて初めて「塾」に通った。

わたしは塾や予備校というものに通ったことがありませんでした。というのも、高校受験や大学受験の問題には解法と答えが存在し、問題集さえあれば、あとは自分のやり方で勉強することができたからです。

しかし、コピーライターになってからは変わりました。問題集もなければ、答えもない。試験で点数がつくわけでもないので、自分の勉強の進捗状況もイマイチわからない。それでも同期コピーライターはどんどん活躍して賞をとる。メディアに出る。そして仕事をもらってまた活躍する。

待っていても、何も始まらない。始まらないどころか、どんどん差をつけられる。このままではダメだと、藁にもすがる思いで「コピーライター養成講座、先輩コース」を受けました。若手の「先輩」に、カウンセリングをしてもらうくらいの気持ちで。

先輩コースで手に入れたかったのは自信

初めての講義の日。会場の表参道の教室には、同じような悩みを抱いた同期が、20人ほど集まっていました。「コピーライター養成講座 先輩コース」の第1期生です。最初の自己紹介で、「この講座で何を手に入れて帰りたいか」、本音を語り合いました。

「書いても書いても、コピーが採用されなくて悩んでいます」「同じ悩みを抱えて、頑張っている仲間を見つけにきました」「コピーのカウンセリングを受けるくらいの気持ちできました」「今は営業をしていて、いつかコピーライターになりたいと思っています」「自分はアートディレクターだけど、コピーライターの思考を学びたい」

その言葉は様々でしたが、みなコピーをかけるようになり、ひとつの行動を起こしたい。そう思っている人ばかりでした。

わたしが、この講座で手に入れたかったものは、「自信」でした。コピーが書けないと、企画をプレゼンする時に、どうしても不安になってしまう。自信のない様子は、相手にも伝わります。すると、どの企画も通らない、コピーも通らない。そんな現状がありました。

電通鬼十則に、次のような言葉があります。

8.「自信」を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらがない。
Move with confidence. It gives your work force and substance.

自信は持とうと思って持てるものではありません。スポーツでも同じですが、圧倒的なトレーニングを積み、自分の感覚や数字や順位などの目に見える形で成長を実感した時に、初めて自信を持てると思います。2年目になる前に、その自信を、少しでもこの講座で掴みたかったのです。

自分が強引に背伸びせざるを得ない状況に追い込む。
講師を担当されたのは、電通の阿部広太郎さん、サン・アドの岩崎亜矢さん、meet&meetの小藥元さん、そして博報堂の下東史明さんの4名です。30歳前後の若手コピーライターのスターが揃った講義は、活気に満ち、毎回凄まじい量の情報を叩き込まれました。そして全員の前でプレゼンをし、他の人の視点を学び、自分の愚かさを悔やむ。

「良いものを良いと認め、自分のものにしてしまう人は、強い。」

嫉妬で耳をふさぐのではなくて、良いものを良いと素直に認めること。講師の方に言われた言葉ですが、まさにその通りでした。他人に嫉妬して塞ぎこむのではなく、良いものをどんどん自分のものにしていく。他人の企画書、コピーの書き方、プレゼンの仕方、どんどん自分のものにしてしまう。インプットも多いですが、それ以上にアウトプットが圧倒的に多いこの講座は、同期からも学ぶことがとても多かったです。

講義資料。事前に全員が作ってきた企画書が冊子にまとめられて返却されます。 そのすべてに赤字が入っていて、とても貴重な資料となりました。

反省し、考え、またプレゼンする。その繰り返し。その積み重ねが、たしかな自信となって、自分に帰ってきました。全10回の講義でしたが、とても充実していた講座でした。(朝まで毎回飲んでいたからかもしれませんが。)

答えはありませんが、コピーにも解法があるのだと気付かされました。思考回路という解法です。あとは、それを実践で使うことが必要です。頭の中に入れて、気持ちよくなっているだけでは何も変わりません。この場もそうですが、世の中に何かを発信し、たとえ叩かれてもいいから、生み出す経験を重ねたいと強く思いました。それが自分の立ち位置を知る、大事なアウトプットだからです。

これにて第3回は終わりです。企画をされている方は、先輩コースを受講されてみてはいかがでしょうか。この冬から、第2回の講座がはじまるようです。


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kondoh
近藤雄介
電通 第5CRP局 コピーライター

1991年生まれ。埼玉県南埼玉郡宮代町出身。埼玉県立春日部高等学校、慶應義塾大学文学部人文社会学科社会学専攻を卒業。高校大学の7年間を応援指導部で過ごす。大学では文化麺類学を学び、ラーメン二郎三田本店で働きながら卒業論文「ラーメン二郎研究」を制作した。2015年に早慶戦ポスターを制作し、話題になった。2014年JAAA懸賞論文新人部門ファイナリスト。宣伝会議コピーライター養成講座先輩コース第1期生。現在上級コース受講中。

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