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社員6人の酒店が月間100万PVのオウンドメディアをつくった理由とは?

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一次情報の発信にこだわり

「NOMOOO」の運営は、システム担当1人、編集担当2人。ライター約60人が書いた原稿を編集担当が確認し、1日1本ずつアップしている。記事は、「この発想はなかった!日本酒にぴったり味噌汁を焼くだけ簡単おつまみ『焼く味噌汁』」といったレシピ情報、「立ち飲み価格でゆったり飲める、コスパが素晴らしい『串焼きジョージ』に行ってきた!」といった、お店紹介の記事を展開。リリースやネット上の情報だけで掲載することはせず、すべて実際にライターが取材した、一次情報にこだわる。

「当初はキュレーション系の記事も参考にしていたのですが、そういった記事は、はじめはアクセスが伸びるものの、すぐに類似した記事が出てきてしまいアクセスが伸び悩んでしまう。他のメディアと差別化を図るためには、実際に取材した一次情報が重要だと考えています。また、PV数よりも各記事の滞在時間やセッション数を重視し、記事を保存したくなったり、メモしたくなったりと、行動につながるような内容を目指しています」。

また、記事を拡散させるために有効だったのがアプリとの提携だ。キュレーションアプリや「Sakenomy」(中田英寿氏監修の日本酒情報アプリ)などにも記事を提供し、アクセスを伸ばしている。

最近では、「KURAND」のサービスを「NOMOOO」を通じての告知やPRに活用するケースも多い。その成功例が、5月に東京・渋谷区で開催した、日本酒の飲み比べイベント。両サイトを通じて告知したところ、約2500人の集客につながった。

今後はオリジナルの日本酒を会員向けだけでなく、一般向けにも販売していく予定。こうした商品のPRにも、自社メディアを最大限に活用していく考えだ。

他メディアとのつながり生まれる効果も

「NOMOOOには単体の広告出稿もありますが、メディアとしての収益化を目指すことは考えていません。あくまで、KURANDへの流入を目的に展開しています。お酒、特に日本酒の分野では、飲食系雑誌などのメディアで紹介されて、商品がヒットするというケースが非常に多い。地方でまだ名の通っていない酒蔵のお酒を売っていくためには、自分たちがメディアを持ち発信していく必要があると思っています」。

運営や記事配信を外注する企業も多い中、荻原氏は「自社でメディアを運営し、ノウハウを蓄積するほうがメリットが大きい」と断言する。

「自社でメディアを運営することで、他のメディアとつながりができ、これをきっかけに、KURANDが他のメディアに取り上げてもらえる機会も増えました。また、メディアを運営すると、世の中の動きも良く分かるようになります。社員が独自に取材して記事を書くケースもありますが、取材によって知識も深まりますし、記事が世に出ることでモチベーションも高まります」。