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コラム

アンバサダー視点のススメ

失敗を許容できる組織でなければ、デジタルマーケ時代は生き残れない

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日本企業に投げかけられている問い

さらにワールドマーケティングサミットでは、別のセッションでもGoogleのアジア太平洋地域担当社長であるカリム・テムサマニ氏が「グーグルにおいては失敗することが推奨されており、失敗について議論することが求められている。失敗を振り返らないことが最大の無駄だ」という発言をされていました。

この発言は、私がサミット中に投稿したツイートの中で、最もリツイートされた発言となっています。逆に言うと、日本企業においてはこういう文化が少ないことへの裏返しとして反応が多かったと見ることもできるでしょう。

ワールドマーケティングサミットの概要については江端さんもコラムを書かれているので参考にして頂ければと思います。

参考記事:Digitize or Die: ワールド・マーケティング・サミットで見えてきたマーケティングと経営の融合

江端さんの記事のタイトルにもあるように、ワールドマーケティングサミットで話題になったのは、ソーシャルメディアやスマホの普及により情報武装された消費者の世界においては、企業は「デジタル化するか、死ぬか」という二つの選択肢しかないというコトラー教授の問題提起でした。

写真:H&Kグローバル・コネクションズ

企業のマーケティングのデジタル化においては、従来と異なる新しいチャレンジを行わないといけないため、当然失敗のリスクが常についてまわります。

その際に失敗を許容できない企業文化のままでは、結果的に担当者が誰もリスクを冒さないようになってしまい、デジタルマーケ時代に向けての新しい挑戦もたいしてできず、徐々に既存顧客の高齢化とともに縮小して行かざるを得なくなるのではないか?というのが、日本企業に向けられている問題提起であると言えるでしょう。

一方で、ワールドマーケティングサミットの登壇者からは口々に「日本は過去に明治維新や戦後など、大きな変化に何度も対応できている国民性なんだから、今回の変化にも対応できるはずだ」とエールが送られていたのも印象的でした。

自分の会社は失敗を許容してでも担当者に新しい挑戦を奨励できる文化になっているのか?もしなっていないとしたら、これからどう変化させるべきなのか。

日本企業に投げかけられている非常に大きな問いではないかと思います。