会ってもいない相手の心の中に入っていく
僕が新卒で入社した双葉社で、編集者になって作った1冊目の単行本は、『たった一人の熱狂』(見城徹著)です。755というトークアプリでの見城さんの言葉があまりに刺激的だったため、僕はすぐに「これを本にさせてください」と755に書き込み、同時に手紙も書きました。アプリ上でアプローチすることは、簡単に誰にでもできます。それだけだったら、絶対に見城さんの心は動かせないと思ったのです。
僕が編集者になったのは、見城さんの『編集者という病い』という本を読んだことがきっかけだったので、そういった見城さんへの積年の想いをひたすら手紙に書き連ね、送りました。結果、本を出すことができて、今の僕があるのですが、手紙は自分の想いが本物であれば、絶対にそれが伝わる唯一無二の最強ツールなのです。
でもね、言いたいことはこれじゃない
さんざん語ってきましたが、僕は「手紙ってすごいでしょ!」ということを言いたいわけではありません。「みんなが行っていない道にこそ、実は花が咲いてるんだよ」ということを言いたかったのです。
みんながLINEやメッセンジャーなどと、効率を重視する方向に進み、手紙の価値を忘れ去っていればこそ、そこには際立った価値が生まれます。周りと同じことをしていたら、周りと同じ風にしかならないはずです。みんなが歩く方向にひとり背を向け、逆張りをすることで初めて差がつくのだと思います。
「Web編集者さん」は、こぞってMacで何かを書いていますが、僕はメルカリで1万円で買った謎のパソコンで、このコラムを書いています。これも逆張りです。まだ言いたいことはありますが、パソコンがやけに熱を帯びてきたので、ここらでおしまいにします。
また次回、お付き合いください。
※ちなみに、「ガケガミ」なんて言葉はありません。
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