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長寿企業の極意「周年イヤーの迎え方」〜10周年 ユーグレナ

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社外向けブランディングにも活用

このほか、記念品として創業の思いを込めた名刺入れを作成した点も突出したアイデアでした。同じくバングラデシュにルーツを持つ、マザーハウス社とのコラボレーションから生まれたものです。 2015年12月には会社案内も刷新し、社長や役員が事業への想いをストーリー調でまとめた内容に生まれ変わりました。いずれも、社員が顧客に対して自社を語ることができるツールとして工夫されています。対外的な打ち合わせの場で自社にしかない名刺入れを持ち、自社の思いやユーグリズムについて顧客に語る。新人も、先輩が語る姿を見るうちに、自らも自然と語れるようになる─こんな活用イメージを描いているそうです。

周年事業における記念品や会社に関する各種メディアは、ともすると一過性のものに留まってしまいますが、周年事業のコンセプトとの一貫性をもたせること、そして、「社外」向けの施策も「社内」を、そして「社内」向けの施策も「社外」を強く意識することで、形骸化することなく活用されていくのです。

「社内のあちこちから『ユーグリズム』というワードが自然と聞こえるようになったことが嬉しい」と話す安間さん。次なる課題をうかがうと、「社外から求められるものは自分たちの思っている以上に大きい。だからこそ、社会的責任をまっとうする“守り” とユーグリズムなどを軸に価値を付加していく“攻め” を全社で体現していくこと」と明かしてくれました。バイオテクノロジーの会社として、「拡大」というステージへと進み続ける今後に注目していきたいと思います。

取材風景
広報IR課の安間さん(左)と筆者。オフィスもコーポレートカラーのグリーンで彩られていました。

総括

市場環境は日々刻々と変化しています。それに応じて企業も「草創期」から「拡大期」「多角期」「成熟期」へとステージを変えることで存続します。このような企業のステージ変化は特定の人だけでは起こすことはできません。自社が置かれている状況を正確に捉え、“周年” という節目を、社員の、社員による、社員のための転機として活用してほしいと思います。



ユーグレナ 10周年プロジェクト

広報IR課を中心に進め、全社グループワークを経て行動指針を策定

ステークホルダーごとの施策

顧客・社会
・会社案内刷新・オフィス移転・名刺入れの活用

従業員
・行動指針の策定・社内イベント・名刺入れ作成

2015年 1月
・行動指針刷新のための全社グループワーク
4月
・行動指針「ユーグリズム」を制定
・朝礼の場で各役員から「今週のユーグリズム」を発表
8月
・全社員参加の10周年全体会議、祝賀会
10月
・マザーハウスとのコラボレーションで社員用の名刺入れを作成
・「ユーグリズム」にちなんだ表彰の実施
12月
・会社案内を刷新
2016年 1月
・ブランド、コンプライアンスをテーマに社内研修

根本絢帆(ねもと・あやほ)

リンクイベントプロデュース エンジニアリングユニット マネジャー
2005年リンクアンドモチベーション入社。リンクイベントプロデュース創業時より参画、数多くの周年事業、理念浸透プロジェクトに従事。イベントを通じた企業のインナー・アウターブランディング、人の心を動かす「場創り」を支援する。