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アクセンチュア×アイ・エム・ジェイ トップに聞く 経営層からデジタルシフト促す

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戦略立案から実行まで“end to end”で対応可能に

江川 今回、IMJ株式の過半取得について合意したことを発表しましたが、具体的な協業の仕方についてはまさに検討しているところです。ただ、両社が目指すことは共有しています。成長に向けたデジタル戦略立案から、やり遂げるところまで、両社が掲げてきた“end to end”で顧客の変革を支援していくこと。そして、国内外で培った先端の知見を融合していくこと。現時点で国内では、我々の共同体こそがそれができるところになると考えています。

このビジネスは将来にわたって伸びていくでしょう。

竹内 お客さまから具体的な依頼を受けてから「実行」の部分を受け持つだけでなく、経営課題やマーケティング全般の課題をもとにソリューションを提供するスタイルにシフトすることで、当社にとっての可能性は何倍にもふくらむと考えています。お客さまにもこれまで以上にメリットを提供できるでしょう。

江川 コンサルティング会社とデジタルエージェンシーの協業は世界各地で進んでいます。アクセンチュアも、グローバル戦略の一環として欧米やアジアで体制強化を進めています。

デジタルが経営課題の一つとして存在感を示す中で、この流れは必然と思いますが、そのことが既存の広告ビジネスを侵食するとは全く考えていません。

黒川 コンサルティング会社と広告会社との競争が激化するとの指摘がクローズアップされていますが、そもそもビジネスのレイヤーが異なると考えています。我々は企業や組織の変革のお手伝いの一環としてデジタルマーケティングを位置づけています。

広告会社が得意とするマーケティング支援の領域とは共存し、協業する関係であると考えています。

竹内 我々も、既存市場を取っていこうという考えはありません。今回の合意によって、お客さまにはより多様な選択肢を提供できるようになると考えています。

グローバルで注目される先行事例を発信したい

江川 企業や組織のデジタルシフトの取り組みは米国で先行しましたが、日本も急速な追い上げを見せ、今やほぼ同じレベルにあると言えます。現場の取り組みについて日本が後れを取っているということはないでしょう。

もっとも、経営層のデジタルの浸透度合いについては日米ではまだ差があると言わざるを得ません。私の感覚では、米国の経営者は8割くらいがデジタルについて真剣に考えていますが、日本は2割ほどではないでしょうか。その2割に当たる層から当社に声をかけていただくので足元のビジネスは成長を続けているものの、この差には危機感を抱いています。

経営層にデジタルシフトの重要性を十分に認識してもらうべく、我々もさらに努力していきますし、今回の合意によって強化していくチャンスだと考えています。

加藤 デジタルシフトに関する相談を受けることは私たちもよくあります。そこで聞くのは「戦略だけでも個別施策の実行だけでも進まない」というもの。戦略から実行まで一貫して支援できるようになることが大きな意味を持つでしょう。

竹内 今回の合意によるメリットとして実感していることに、社内にポジティブな影響を与えていることがあります。これから両社でやろうとしていることは、おそらく日本のデジタルマーケティングの最先端を行くことになるでしょう。しかも、アクセンチュアの皆さんという「先生」が身近にいるわけです。スタッフ個人の成長にとってもこんなに素晴らしい環境はありません。

黒川 アクセンチュア側もまったく同じです。我々にとってはIMJの皆さんが「先生」です。個々のプロジェクトにおいても、互いのスタッフが刺激し合い、並走しながら進めることでより大きな成果を得られると期待しています。

江川 日本で最先端であることはもちろん、グローバルなデジタルマーケティングの分野での先駆的な事例を日本から多く発信していきたいですね。デジタルについて真剣に考える経営者は日本で2割と言いましたが、こうした取り組みの結果、2〜3年後に5割ほどまで高めることができれば素晴らしいことだと考えています。