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コラム

【閲覧注意】鬼ムービーのガチすぎる動画教室

動画のヒット打率を上げるための「鬼メソッド10」(後編) — PRとメディアの視点から

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・メソッド8「伝播する情報流通構造」
僕たちは、コンテンツが生活者に届くまでの「流れ」のことを「情報流通構造」と呼んでいます。ここで言うコンテンツとは、動画に限らず、ニュース記事や写真なども含みますが、僕たちは特に、動画の情報流通構造について研究・分析してきました。

ざっくりお話しすると、ヒットする動画は、この5つのフェーズを経ていることが多いです(もちろん、他のフェーズを経ていることも! あくまで代表的な流れです)。

伝播する情報流通構造(代表例)

・Phase❶:WEB記事(一次配信元)
WEBニュースの記事として、動画が紹介される。「こんな動画が公開されました」という内容が多い。

・Phase❷:大手ポータルサイト
❶の記事がさまざまなサイトへ転載され、多くの人が目にするポータルサイトで掲載される。

・Phase❸:バイラルメディア・キュレーションメディア
ポータルサイトをチェックして、世の中の話題や関心に敏感なバイラルメディアがその動画に目をつけ、「今、注目の動画」として紹介。メディアのSNSアカウントでもポストする。

・Phase❹:SNS/まとめ/ブログ
多くの生活者のSNSのフィード上にトピックスとして流れる。まとめ記事をつくる人が出てきたり、ブログで紹介される。

・Phase❺:テレビ番組/マスメディア
生活者の間で話題になり、SNSなどでその状態が可視化されると、マスメディアのリサーチに引っかかる。マスメディアが、情報番組などで「今、ネットで話題の動画の裏側」「なぜ話題なのか」などの背景を切り口で特集する。

ここまで話題が伝播すると、いわゆる「みんなが知っている」動画が完成する、というわけです。

この5つのフェーズに代表されるような、動画における「情報流通構造」を把握していると、どのフェーズでどのように動いたらいいかを、戦略的に考えることができますよね。それこそが、運を味方につける最初のステップだと思います。

・メソッド9「話題連鎖型メディアプランニング」
把握した「情報流通構造」をベースに、次に考えるべきが、広告やパブリシティ(PR)のプランニングです。特に、広告プランニングは、ターゲットにいかに“効率的”にリーチさせるか、というのが基本的な考え方ですが、オンライン動画の場合は、その視点すら変える必要があります。つまり、生活者やメディアの「言の葉に乗る」ためにはどうしたらいいか、という視点で、時期や広告量、その手法についてプランニングすべきなのです。情報流通構造の各フェーズをどう盛り上げるか。広告とパブリシティ(PR)を活用して、話題が連鎖するための下づくりをしたいですよね。

・メソッド10「SNS特性別動画ローンチ術」
メソッド9を実践するには、SNSの特性も把握しておきたいところです。
どのSNSを広告的またはPR的に活用して動画を「着火」させるのか、これ、意外と重要なポイントなんです。SNSならどれでも一緒でしょ、とランダムにSNSを選ぶと、本来出るはずの効果が弱まってしまう可能性すらあります。

SNSの特性

Facebookは基本、実名制なので、本当は面白いと思っていても、気軽に「いいね!」しにくい傾向があります。こんな趣味嗜好があるとか、こういう主義主張がある、ということを、友だちに明らかにしたくないと思っている人も多いからです。

一方、Twitterは匿名でも構わないので、とてもライトに「リツイート・コメント」することができます。どちらがいいということではなく、それぞれの特性に合った動画があると思うんです。例えば、「広く感動を誘うようなイイ話」の動画だとFacebookで「いいね!」されやすく、ちょっと尖った感じの「オモシロ系」とか「ネタ系」の動画だとTwitterで広がりやすい、みたいなことです。

おそらく皆さんも、「この動画、Facebookで見た時は『いいね!』しなかったけど、Twitterではしたな」とか、「Twitterで見た時は反応悪そうだからリツイートしなかったけど、Facebookでは『いいね!』がつきそうだからシェアした」とか、そんな経験があるんじゃないでしょうか。

人間と同じように、動画にも個性があって、相性だってあります。その性質に合った適切なSNSを選んであげることで、「火」の大きさは間違いなく変わると思います。

次ページ 「つまり、つくった動画をヒットさせるには」へ続く