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コラム

共感デザイニング

近くて遠い、1メートル。

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運転手のリアル。

そんな三和交通さんにご協力いただき、運転手がなぜいつも急いでしまうかのインサイトを理解するために、数人の現役タクシー運転手の方にインタビューさせていただきました。
まずはこちらの絵をご覧ください。

これは、それぞれの運転手さんに「運転中に意識していること」の脳内マップを書いてもらったものです。
目的地までの道順を一所懸命考えていたり、お客様との会話を大切にしていたり、営業収入のことを考えていたり(リアル!)、それぞれ運転手さんの個性が出ていますよね。

もう少し運転手さんの考えを深掘りするために、いくつかの質問をしました。

インタビューは1人1時間くらい行ったので、実際はもっと沢山のお話を(ここには書けないような話も含めて)聞かせていただいたのですが、いくつか端的な回答を抜粋しました。

上記は「お客様はタクシーの利用に何を求めていると思うか?」という質問に対する回答の一部です。

回答1〜3は、三和交通さんらしさが滲み出た回答ですよね。
本当にそんなタクシー存在するのか!?と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、三和交通のタクシーをご存知の方は納得いただけると思います。これこそが三和交通さんの強みであり、他社に対しての明確な優位性であると思います。

一方で、回答4〜5はスピードについての話ですが、これも運転手さんそれぞれが経験の中で学んだことなのだと思います。本当に8割の人が「飛ばしてくれ」と言うかは若干疑わしいですが、運転手さんがそう思うくらい急いでいる方が多い印象なんでしょうね。

上記は「お客様はドライバーに対して、希望や要望を伝えられていると思うか?」という質問に対する回答です。

回答1〜2は、タクシーに対するイメージが元々悪いから乗客は話しづらいんじゃないか、ということですね。確かに、その運転手さんの良し悪しを判断する前に最初から警戒している乗客の方は、私も含めて多いと思います。

回答3〜4は、お客様によっては要望を言える人と言えない人がいて、特にタクシーに慣れていない人は言いづらいのではないか、という話です。慣れの問題は言いづらさと関連性がありそうですが、慣れていない人が苦痛な体験をする必然性はないので、サービスとしては解決すべき問題ですね。

回答5は、要するに「何も言われないから伝えられているはず」ということだと思います。これは「言いたいのに言えない乗客」が多く存在することを踏まえると、運転手さんの認識が間違っていたと言えそうです。

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