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コラム

アンバサダー視点のススメ

ネット広告は「目の前にいる1人」の気持ちを本気で考えられているか

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広告主がどのメディアに広告が出ているのか認識していない

今回の騒動を受けて、一部の広告主の方が「どこに広告が掲載されるか分からないアドネットワークにはもう広告を出す気にならない」と発言されていました。

従来のマス広告では、広告主が広告を掲載したいメディアを選択していました。それがインターネット広告では、一つひとつのメディアを選択して広告を掲載するだけではなく、アドネットワークを通じて無数のメディアに一斉に出稿する手法が中心になりました。
 
その結果、広告主は自社の広告がどのメディアに掲載されているのかよく分からないまま出稿する、というケースが増えてしまったのです。その象徴的な事例が昨年9月に「AbemaTV」で放映された番組中にユニリーバの広告が流れたことにより、その番組を同社がスポンサードしていると誤解された問題です。

参考:インターネット動画サイト番組へのスポンサーについて

バナー広告であれば、たとえ怪しいWebサイトに大企業の広告が表示されていても、なんとなくスルーしてもらいやすいですが、動画の番組の間に広告が表示される形式では、テレビCMと同様にその番組のスポンサーに見えてしまう、という事例だと言えます。

ソーシャルメディアの普及によって誤解であっても、あっという間に伝播しやすくなりましたし、複数のユーザーの批判がメディアに「炎上」として取り上げられることも増えました。

企業の視点からすれば、アドネットワークは必要な相手に広告を表示できる効率の良い一つの選択肢でしか無いかもしれませんが、顧客の視点からすれば、たまたま表示された広告一つひとつに意味を感じるわけです。アドネットワークを通じて不特定多数のネットメディアに広告を表示することが「リスク」にもなる時代に突入しつつあるのです。

これらの一連の騒動を振り返って個人的に改めて思い出したのが、昨年の10月に開催された「国際平和のための経済人会議」での一つの議論です。

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