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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

「自撮り」ならぬ「他撮り」が増加中 女子高生がSNSで発信したい恋愛とは?

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SNSでは「瞬間」ではなく「過程」をアピール

彼らが「肩の力が抜ける」前に流行ったSNSがありますが、覚えているでしょうか?

一時期流行した「キス動画」です。

テレビなどで取り上げられたので覚えている人も多くいると思います。それが、高校生のカップルがお互いにキスしている動画を投稿するサービスMixChannel、通称「ミクチャ」です。

次々と公開されるキス動画は高校生に新たな文化を作り、個人ではなく「カップル」にファンがついてくる珍しいサービスに発展しました。「キスを見せる」という普通なら考えられないような行為も、コミュニティの中では“当たり前”のこととして麻痺していました。

一時期はテレビで話題になるほど取り上げられましたが、キス動画ブームはあっという間に去ってしまいました。テレビで取り上げられるようになったのを親や教師が見て「うちの子は大丈夫かしら」と気にするように。

あれやこれやと両親が高校生を心配し、メディアが面白おかしく取り上げていくうちに徐々にキスブームは下火なっていき、一気に火がついたミクチャを使った「キス動画」でしたが、大人たちの介入によって「壊されて」しまいました。

キス動画ブームが起きる前、世間ではいまの10代は草食系の更に上をいく、“絶食系“(全く恋愛に興味がない世代)になるのではないか?」と報じていましたが、実際に私たちの世代で、絶食系なのはごく一握り。

今年の新成人に調査した男女の交際に関するアンケートでは、「交際相手がいる」と答えた割合が7年ぶりに増加。(オーネット調べ

この世代の象徴的なカップルといえば、「ぺこ&りゅうちぇる」。テレビではその独特なキャラクターで「イロモノ」として扱われがちな彼らですが、私は比較的同世代の恋愛観を代表していると思っています。

例えば今の10代から20代前半の間で流行っているペアルック。80年代に「アベック」という言葉が流行った時代に、ペアルックをするカップルが街に溢れたそうですが、2000年代には「カップルでペアとかダサくない?」と、廃れていました。

が、最近では原宿のGAPなどに行くといまどきのカップルがおそろいのパーカーを選んでいるから驚きです。靴まで一緒のペアルックや、上半身だけおそろいのパターンなど、ペアルックもカップルのコーディネートとして自然に取り入れられるようになっています。その背景にも、「ぺこ&りゅうちぇる」のようにお互い「好き」という気持ちやSNSや洋服のコーディネートで表現するのが当たり前になっているからだと思います。

ちなみに、今年のバレンタインも、SNSは賑わっていました。Instagramに動画が投稿できるストーリー機能が追加されたり、LINE LIVEが誰でも配信できるようになった今年のバレンタインは、作ったチョコを写真でアップするだけではなく、チョコを作る過程からSNSに投稿するのがトレンドになってきました。

先述しましたが、女子高生たちの中では「瞬間」だけではなく、瞬間を作り上げるまでの「時間」や「空間」といったストーリーを発信していくことに価値を見出しています。

昨今のSNSインフルエンサーを使った企業のPR施策では、イベントの様子を撮影するなど「瞬間」を切り取るケースがほとんどですが、そこまでのストーリーや過程をSNSで出していく施策は、若者の興味を惹けると思います。

恋愛やイベントごとにはSNSが切り離せない時代になったいま、今年のクリスマスやハロウィンのイベントごとには、たくさんの女子中高生から新たなトレンドが発信されるので、ぜひ注目してみてください!