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「データ・ドリブン」って何なんだっけ。

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データをどのように整え始めるべきか?

では、データをどのように目利きし、使いやすく扱える状態にいち早く持っていけるか。そのためには、ある種の”ベータ版(アジャイル)発想”で、「精度よりも粒度重視」で取り組み始めた方が、結果的にプロジェクトが軌道に乗るケースが多いと思います。

SI的にどれだけ要件定義を突き詰めたデータベースであっても、どうしても固有に振るIDはユニーク化しきれないため、精度が高められないこともあります。それよりも、その人が「どれを買ったのか」「どこで買ったのか」のどちらが重要なのか、その必要性を吟味したり、「どれを買った」という情報は「いつ買ったのか」「どのSKUを買ったのか」など、何が含まれた情報であるかが実態を理解するために必要、といったことを具体的に思い描き、決める方がデータを使いこなす近道となります。

その上で、「今は無いが欲しい情報」を後々どう加えていくかであったり、より”確からしい”情報に置き換えていくロードマップを計画したり、といったデータ充実のための別のタスクを設定していきます。

ポイント:データは精度より粒度重視。足りないものは今後太らせていけばOK、という割り切りを。

継続軌道に乗せていくためには?

データが集まってきたら、そこからのアウトプットを関係者で共有&活用するフェーズになります。集めたデータを使って、その都度、知りたいことを深掘っていくようなカスタム分析は、それはそれであってもいいのですが、それ以上に共有した指標やその達成状況を定点的かつ視覚的に共有することが重要になります(いわゆる”マーケティング・ダッシュボード”)。

単なる結果(数字)の羅列ではなく、その関係まで直感的なグラフィックで捉えられると、データを直接扱う、主管部門以外からも早期に協力を得られやすくなります。

また前述の通り、あくまでもデータは「人」を「個」や「群」でモニタリングしていくことが肝になるので、その変化や移動を追うことが重要です。例えば、新たに人を連れてくることができたから、そのスコアは伸びたのか、それとも既にいる人が移動したからそうなったのか、統合データなしで追いきれなかった構造変化とその推移を把握し続けていくことが求められます。

ポイント:「結果」と「要因」の関係を、定点的かつ視覚的に追いかける(=PDCAサイクル化)。

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