ヒント3:「無音再生」を逆手にとる!
昨年、海外メディアの調査で「Facebook動画の85%は音無しで視聴されている」という報告があがりました。これは私たち動画を設計する立場の人間からすると、非常に大変な話なのですが、つまるところ、Facebookで流す動画は「視聴者に音無しでも映像内容が伝わらなくてはならない」ということです。
モバイルビデオはFacebookに限らず様々な場面で「無音再生」される可能性があることを忘れてはいけません。もちろん、配信される場所や視聴環境にもよりますが、ビデオ制作時は視聴環境をきちんと想定した設計が必要です。
「音無しでも伝わる映像」を考えてみると、日常的に馴染みがあるものでは、JRの電車内、トレインチャンネルの動画でしょうか。TVCM用の動画にテロップを後付けして、ナレーターや出演者が何を喋っているのか情報を補足して伝える、という手法がよく用いられています。これは、モバイルでの無音対応として使える手ではありますが、折角なら「無音」を逆手にとり、モバイルの特色を生かした表現を取り入れたいものです。
ここまで、モバイルビデオ制作での基本的な3つのヒントをご紹介してきましたが、モバイル動画領域は、様々なメディア、アプリケーション、広告フォーマット、視聴端末など非常に速いスピードで日々登場しており、ユーザーの視聴傾向も多岐にわたります。クリエイティブを設計する立場からすると、とても大変ですが、様々なシーンで様々なクリエイティブを最適化して制作できるとこは、今までになく楽しいことでもあると思います。
全国のクリエイターの皆様、是非ご一緒にモバイルビデオを盛り上げていきましょう!
山下悟郎 氏(モバーシャル取締役CMO)
関西大学卒業。デジタルビデオエージェンシー、モバーシャル株式会社取締役CMO。デジタル領域の映像制作およびマーケティングを得意とする同社において、オンラインビデオ黎明期より、コンテンツ、マーケティング設計を担当。2014年株式会社メンバーズと動画マーケティング支援会社、株式会社MOVAAA(ムーヴァー)を設立、取締役兼任。デジタルハリウッド大学、バンタン専門学校、宣伝会議講師。
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