中村禎さんが明かした、「宣伝会議賞」受賞に近づくための8つのポイント

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「本当に思ったこと」だけを書く

小林:禎さんにとって、コピーとは何ですか。

中村:人を動かすきっかけになる言葉と捉えています。それを見た人・聞いた人が、何か行動を起こすきっかけになるような言葉です。

小林:「動かす」というのは、単純に「買う」ということだけじゃありませんよね。例えば「夕方の私は何歳に見えているだろう」は、ある意味、購買に近い言葉のように思えます。一方、KDDIの「つまんない広告をする企業は、ほぼ、つまんない。」は、社員みんなの気持ちをひとつにしようとしたもの。「動かす」と一言で言っても、色々ありますね。「宣伝会議賞」にも商品広告から企業広告まで、色々な課題があります。

中村:広告の目的がオリエンに書かれていなければ、自分で設定するといいと思います。そのコピーを見た人に、「実物を見に行きたい」と思わせたいのか、「一口食べたい」と思わせたいのか、商品名・企業名を一発で覚えさせたいのか。目的を持ってコピーを書くことで、それを見た人に変化を与えられると思います。

小林:「宣伝会議賞」にチャレンジする方々は、たくさんコピーを書くと思います。その中から実際に応募するコピーを選ぶ基準のひとつは、「そのコピーを見て、人は動くか」ですね。もうひとつ、禎さんに聞きたいことがあります。「コピーライターって何?」と尋ねられたら、禎さんは何と答えますか。

中村:コピーライターと言うと、「上手いこと言う人」だと思われているでしょ。でも、僕はそうじゃないと思っているんです。まだ誰も気づいてない価値や、薄々わかっているれど誰も言葉にできていないことを、「ほら、これでしょう?」というふうに提示してくれる人。それが、コピーライターではないでしょうか。

小林:コピーの書き方について、応募者の皆さんにアドバイスやヒントはありますか。

中村:「本当に思ったことだけ書け」ですね。自分がその課題に対して「俺はこう思うんだ」ということを書けばいい。コピーを書いたら、自分が本当にそう思ってるのか、問いただしてみてください。

小林:最初は僕も、「上手いこと言い換える」のがコピーだと思っていました。そうではなく、新しい視点や切り口を見つけることが大事だと、禎さんから教わりましたね。新しい視点や切り口を見つけるために、禎さんが心がけていること・工夫していることはありますか。

中村:正直に考えるということです。さっきの資生堂「デーケアレボリューション」だって、僕は使わないし関係ないんだけど、もし自分が女性だったらと考える。朝、お化粧をして、会社に行って、一生懸命働いて疲れて、夕方になると老けてみえるって、嫌だなと思う。相手の立場で考えて「本当そうだな」と思うから、書けるわけです。

小林:自分がその商品のターゲットではなくても、そうやって「なりきる」というか、想像力を持つことが必要ですね。自分が書いたコピーの「選び方」にコツはありますか。

中村:一人で書いて一人で決めるより、色んな人に見てもらって、意見を聞くのは大事ですね。見てもらうのは、プロのコピーライターだけでなく、奥さんでも、おばあちゃんでも構わない。僕らの相手は一般の人で、その人が見てどう思うかが大事ですから。一般の人は、「このコピー、上手い!」なんて見方はしない。「ああ、わかるわかる」とか、「ほんとにそうだよね」といった具合に受け止めますよね。そういう反応を取材してみるのもいいんじゃないかな。

小林:TCC新人賞をいただいた大谷製鉄のコピーも、最初はアートディレクターに見せて「このあたり好きですね」とか「これは頭に残るね」といった反応を聞いたり、撮影時にクライアントに見せて「これ、好きだなあ」とか「これ、わかるなあ」といった反応を聞いたりして、その反応を基準に選んでいきました。禎さんは今年、「宣伝会議賞」の最終審査員を務めますが、賞に選ばれやすいコピーはありますか。

中村:どこかで見たことがあるようなものはアウトですよね。「どんな人が賞を獲りやすいか」と言い換えると、僕は賞を狙っていない人が獲ると思います。審査員の目を意識せず、「誰が何と言おうと、この課題に対して、僕はこう思う」という強い意思を持って書かないとダメです。

小林:昔アドバイス受けたのが、いいと思えるコピーが書けたとき、同じ切り口の表現違いで複数の作品を応募するのはよくないということ。たくさん応募するなら、切り口が違うものをたくさん出すようにということです。

中村:似たようなコピーをいくつ出しても、結局何かの「代案」にしかならない。まったく違うアングルから書いたほうが、いいコピーを生み出せると思いますよ。


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