【前回の記事】「ケンタッキー「カーネルクラブコミュニティ」、購買データを使ったマーケティングの限界感から開設」はこちら
今回のゲスト
塩谷旬(しおや じゅん)
日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社 マーケティング部 DIGITAL・CRM推進担当 課長
2001年SI企業入社。転職後、エンタメ系・人材系などのWebサイト企画・制作・運営、大手食品メーカーの通販部門・ソーシャル運用担当を経て、2013年に日本ケンタッキー・フライド・チキン入社。DIGITAL・CRM推進担当として、公式アプリ・メルマガ・SNSなどのCRM基盤の構築やデジタルメディア戦略に従事。
他者への推奨でも高い数値を維持
藤崎:現時点での「カーネルクラブコミュニティ」の成果を教えてください。
塩谷:まず挙げられるのは、お客さまの声を聞く手段を持ったということです。企業にとってお客さまと直接向き合えることは、今後ますます重要になると思っています。また、成果を示すための数値としては、NPS®調査を採用しています。
比較対象は、3カ月に1回取っている当社の各SNSアカウントのフォロワーにおけるNPS®です。こちらのフォロワーも、もちろん本当のファンですし、彼らとのつながりは密接なものです。ただ、調査をすると、各SNSアカウントのフォロワーから得られる結果よりも、「カーネルクラブコミュニティ」の方が高くなっています。
藤崎:推奨意向の高い、熱量の高いファンとつながっているということですね。
塩谷:そうですね。「カーネルクラブコミュニティ」開設当初と、開設から半年後に調査を行ないましたが、1度目と比べて半年後の方が、さらにスコアが上がっていることからも、この取り組みの方向性は間違っていないと考えています。
このまま維持していけば、ファンに商品やブランドを他の方に推奨いただいたり、新しい情報を拡散していただけたりする、という流れができていくと思いますし、結果的に売上にも貢献していくと考えています。社内的にも、これらのコアなファンを大切にする重要性が強まってくれたら、と思っています。
藤崎:コミュニティでのコミュニケーションの内容や質は計りづらいですよね。売上をKPIにしてしまうと、では売上を上げるためにはどうすればいいのかという話になってしまい、コミュニティの意義を計りづらくなってしまいます。
現在や過去を調べる従来の調査に比べ、「他者に推薦するかどうか」という未来の行動の数値化は、今後の収益性と連動すると考えられています。最近はNPS®を重視する会社が増えていますが、ケンタッキーさんも使っているということで指標として定着していることを感じました。
塩谷:コミュニティのファンを活性化することで、どんな新しいことができるのか、まだこれからですが、道筋は見えてきていると思います。
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