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急いでマーケティングリサーチを開始してはならない?!

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次は分析計画書を作成!漏れのない調査を行う準備をする

遼平は調査企画書を眺めていた。

「分析計画のところに、年代別、勤務種類別とあるが、フルタイム・パート別に受容性を確認しようということか?ただこれだけでは不十分だ。実際にどんな分析をするのか詰めておかないと後からマズイことになる。分析計画書を作成してみよう」

そう言って作成したシートを2人に見せた。

「ターゲットって?30代~50代前半の有職主婦じゃなかったですか?」

「それではまだ浅い。我々は有職主婦へ新商品を提供したいのだが、全てのターゲットに価値を訴求できるわけじゃない。伝達スピードにも差がある。イノベーション普及理論というのがある」

「大分昔の理論ですが、今でも活用されていますよね」

「新商品が発売されると、関心の高いイノベーターやアーリーアダプターから購入し出す。この2つの顧客層に購入してもらい、満足してもらうかどうかでその後の売れ行きが決まってくる」

「最初に新しいものを購入する人に気に入られるかどうかってことですね」

「そうね。様子をみていて後から購入する人に気に入られても、すぐには普及しないものね。アーリーアダプターが重要ってこと」

「いろんな抽出の仕方があるが、関与度と購入時期でアーリーアダプターを見極めて、その評価をもって、良いコンセプトかどうかを判断する」

「購入時期は新商品が発売して直ぐに買うかどうかってことですね。もうひとつの関与度ってなんですか?」

「その商品カテゴリーのことを人よりも良く知っているとか、こだわりがあるとかってことだ」

「分かりました。調査項目を作成するときにはそれらも入れておきます」


【解説】
調査企画書を作成する際には、分析計画書も忘れずに作成することをお勧めします。ベンチマークテスト(定点調査)でもない限り分析方法を調査実施前に検討しておかないと、分析する段階になって、調査項目が適切ではないということになってしまいます。分析計画があって初めて設問や選択肢を検討していくことができるのです。

今回でコラムは最終回となります。この続きは是非書籍でお楽しみください。
尚書籍では、「子供のお菓子に関するアンケート」の調査結果をダイジェストとして掲載しています。詳細の結果についてお知りになりたい方は、調査レポートを差し上げます。ご希望の場合は、書籍企画部(book-edit@sendenkaigi.co.jp)までお問い合わせください。

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