【前回】「ADFEST 2018 現地レポート — 「アワード脳のススメ」 前編」はこちら
渡辺コウキ
TOMO / 東急エージェンシー
クリエイティブディレクター
統合プランナー
受賞歴:2016年 THE ONE SHOW, 2016年 D&AD Award, 2017年 ACC賞, 2018年ADFEST
審査員歴:2017年 ADFEST Design Lotus / Print craft Lotus
審査員を経験した後の仕事の変化
審査員を経験した後、自分が普段向き合っている仕事に変化が起こり始めました。
それまでは、「クライアントの抱えている課題をどう解決するか」や、「アイデアによってユーザーの価値をどう変容させるか」などを、毎日考えて企画に向き合っていました。
基本的に考える内容は変わりませんが、審査員の経験を経た後、これらの企画がカタチになって世の中に出た時に「そのアウトプットはアワードで評価されるものになるのだろうか?」「評価されるとしたらどのカテゴリーのどのサブカテゴリーに出品できるのだろうか?」を考えるようになりました。
一見、ヨコシマに思えるかもしれませんが、これはとても有用な考え方だと思います。その理由は、様々な広告アワードのカテゴリーは毎年見直されている点にあります。
実は新たなカテゴリーが増えたり、逆に既存カテゴリーやサブカテゴリーが見直し
によってなくなったりしているのです。
カテゴリーの見直しは世の中の広告やコミュニケーションの潮流をアワード主催者側がアップデートしているからこその変化で、それらの変化を把握し、アップデートに応じて出品できるサブカテゴリーを模索しながら企画をすることは、世の中の広告コミュニケーションの流れの理解につながるという訳です。
加えて、過去に受賞している作品のコンテキストやエグゼキューションのクオリティを学ぶことで、自分の取り組んでいる案件が評価に値するクオリティに達しているのかどうかを検証することができます。
これまで持っていた自分なりのプランニング方法にもうひとつ、物差しが加わることによって、組み立てる企画に確信を持つことができ、プレゼンをする際にも強い説得力を持った提案ができるようになります。
もちろん全ての案件においてそういった物差しが当てはまる訳ではないのですが、少なくとも自分の中ではエグゼキューションの幅が広がりました。
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