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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

この人と本をつくりたい!と思うのはどんな人?(ゲスト:箕輪厚介)【後編】

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澤本さんが「犬のお父さん」を考えた経緯とは

箕輪:なるほど。制約があるからですよね。それこそ秋元康さんも、そんなに急ぐ必要ないものまでとにかく最速でやろうとするから、そこにヒントがあるのかなという気もするんですよね。

ジブリ映画みたいにずっとつくっている素晴らしさがある一方で、ニューズピックスブックには自分の論理と全く無関係な商業的な制約がある。月額サービスだから月1回送らないと返金騒ぎになるという、コンテンツの良し悪しとは全く関係ない制約に縛られている定期購読モデルなんですよ。プラス書店でも売っているという、新しいタイプの書籍の売り方なんです。

権八:なるほど。

箕輪:そうすると佐渡島さんの本も最後は対談しましょうかと、編集者が出て行って対談して。

権八:最後の章が対談だったよね(笑)。

箕輪:その対談が良いかどうかは置いておいて、生ものの良さみたいなのがありますよね。

権八:そう、リアルタイムな感じが面白いよね。

中村:佐渡島さんは完成度を高めたくなりたそうな人ですもんね。

箕輪:実はニューズピックスブック史上、初めてひと月飛んだんですよ。だから会員には謎の本が送られたんです。ニューズピックスの中の連載をまとめた、現代アートっぽい表紙でタイトルも何もない本を送って。

誰か怒るかなと思ったら、表紙が現代アートっぽくてかっこいい謎本だと、プレミアな感じになって(笑)。「今月、謎本が来た。会員限定だ」って。佐渡島さんは森の奥に入っちゃって、原稿来ないなとツイッターを見たら、「そもそも〆切という概念自体、常識がつくりあげたものなのかもしれない」ってつぶやきはじめて。

一同:(笑)

箕輪:おー、戻ってこいと。そっち行くなと。そっち行ったら永遠に出てこれないぞと。そしたらこの本にも書いてあるけど、アップデート主義という言葉をつくりはじめて。今の時代、生半可なものを出すことによって人を巻き込んでアップデートしなければならないと、自分の中で概念を変えたんですよ。「そうそう、アップデート主義だよ」って言って(笑)。

権八:CMだと、いきなりこれをつくれ、しかも来週までにとか、言われるんですよね。

箕輪:えっ!?

中村:犬のお父さんができたのってそういう背景があったんですよね。

澤本:できた当時はそうでしたね。

箕輪:どういうことなんですか? それこそもっとこだわればいいじゃないですか。単純にサービスのローンチに間に合わせるということですか?

澤本:そうですね。なんで今日頼んだら納品は3週間後と言ってるんだと。それ自体がおかしい、自分たちが回しているビジネスのスピードとは違うんじゃないかという話があって。CM制作の期間を詰めるには、単純に撮影して編集してという期間をギューッと詰めないといけないじゃないですか。

箕輪:撮って出しみたいな感じですか?

澤本:そうなんですよ。一番詰めるには撮影しないということで。

箕輪:あり素材でつくるってことですか?

次ページ 「スピードが熱を生む」へ続く