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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

この人と本をつくりたい!と思うのはどんな人?(ゲスト:箕輪厚介)【後編】

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ほとんど会ったことがない人と自分の会社をつくった

澤本:箕輪さんが出す本って、書籍として出すんですか? 今は書籍とデジタルとあるじゃないですか。でも、書籍にするのは理由があるんですか?

箕輪:デジタルコンテンツにしないのは特に意識してなくて。単純に編集者だから今は紙の本をつくってるだけで、それこそオンラインサロンだったらnoteで出したり、動画やったり、いろいろやってるから、単純にそこが軸足というだけなんですけど。本の強さというのは全く変わってないし、むしろ本を読むのが日常的じゃない世代、それこそ僕のつくってるニューズピックスブックのメインユーザーである30代以下の世代は、むしろ斜陽産業になってしまったがゆえに、本が非日常のアイテムになってる気がしますね。

中村:なるほど。

箕輪:今はWeb記事がありすぎて、それがバズっても明日誰も覚えてない。でも、上の世代と比べて「本なんて買わねーよ」という世代だからこそ、面白い本があったら本を買うという行為自体がエンタメになっていて。そこは強みな気はします。

澤本:話を聞いていてそういう感じがしていて。本を買うのは僕らの頃は普通だったじゃない。でも今は本を買うのは、応援する、関与する、という、ある種の証拠になっているとすると、出版物というものがそれには大事なのかなと。

箕輪:全くそうです。紙の本がなかったらこんなに話題になってなくて、ニューズピックスブックはファッションアイテムに近いですね。それこそ落合陽一さん、前田裕二さんは普通にツイッターにいて、リツイートしてくれたり、反応してくれたりする。本は言論空間というか、若い人たちが熱狂する空間へのチケットみたいなものですね。

だから、僕のつくる本は書店の棚でいくとダイヤモンド社、日経BPの本と並べられるけど、立ち位置が違って、読者は好きなアーティストのライブに行くなど、そっちの感覚に近いんですね。若い人達の盛り上がりに参加するための共通チケットみたいな感じです。

権八:面白いなぁ。

箕輪:落合陽一さんの本を読んでない人結構いると思いますよ。でも、落合陽一のあの感じが今っぽくてかっこよくて、アーティストに憧れるように、落合陽一がかっこいいという人たちにとっては、あれがバイブルな感じなんですよね。

中村:最近、箕輪さんはご自身の会社もつくられて。

箕輪:つくりました、合同会社かな。

中村:合同会社波の上商店。

箕輪:ほとんど会ったことない人と一緒につくって、よくわからないんですよね、自分の会社がどうなってるか。

中村:それでつくらせちゃったんですか(笑)?

箕輪:つくったほうがいいと言われて、あれよあれよとできちゃって。そこは財布代わりという感じですね。

中村:もう1個やってるキャンプファイヤーと幻冬舎との共同出資会社エクソダスはどういう会社なんですか?

箕輪:クラウドファンディングで出版って、最近みんなやってるじゃないですか。300万円集まったら本を出して、お金出してくれた人にはサイン本送りますと。それに特化して、もっと本というテーマでしばって盛り上げていく。プロモーションも手伝うし、何なら編集者としても手伝って、5千部1万部刷れなくても、500人がめっちゃ読みたかったら成立するよね、というのをちゃんとやっていくという感じですね。

それこそZOZOスーツと全体の大きなビジネスの流れは同じだと思うんですけど、大量につくって1回どこかの工場にパーンと集めて、大量に配って余るみたいなモデルから、オーダーメイドになっていく。欲しい人が欲しいサイズのものを欲しい量だけ頼んで、自立的に成り立っていくみたいなモデルにあらゆる業態がなっていくと思うんですけど、出版においてのそこを担おうという感じですね。

中村:そういうのは幻冬舎社長の見城徹さんに話を上げるとき・・・あの人ってむちゃくちゃ怖すぎるじゃない?

箕輪:あ、全部一瞬ですよ。「よしやろう」しか言わないですよ、わかってないから(笑)。わかってないからインターネットのイという言葉を聞いた瞬間、「よさそうだな。やろう」って。

中村:そんなバカな(笑)。

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