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コラム

マーケティングを“別名保存”する

独立志向のクリエイター向け 5分でわかるティール組織

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「ティール組織」の特徴を10個にまとめてみると?

まず、特徴を思い切って10個にまとめました。

1.上司と階層がない
2.役割は自分で自分らしく決める
3.給料も自分で決める
4.2と3にはチームの同意が必要
5.決済は直接の担当者が独断で
6.ただし5には関係者の助言が必ず必要
7.争いごとはボランティアの委員会が解決
8.自分をさらけ出せる安全な場である
9.存在目的が全てに勝る
10.だから似ている事業をしている会社は競合じゃなく仲間

さらにこれらを、3つの大きなくくりにまとめると、1~7が「セルフマネージメント」に関すること、8が「ホールネス」に関すること、9~10が「存在目的」に関すること、と整理できます。

「セルフマネージメント」とは、上司も部下もなく、全てをその件の担当者がチームに相談しながら自分で決めるというマネージメントスタイルです。マネージメントとは「管理」という意味なので、管理しない・管理されないという意味では、ノーマネージメントと言えるかもしれません。

これは脳や腸や心臓などの人間の身体の機関が、それぞれ独立して自律的に(自分で自分を律するように)動いている様子に似ています。それに対してオレンジ組織はコンピューター制御のロボットを思わせます。システム同士に上下関係があり、基幹システムがダウンしてしまうと、ほかの全てが動かなくなってしまうのです(脳死では脳の機能だけが死んでも他の器官は問題なく動いている「脳死」がある人間の身体とは対照的です)。

「ホールネス」とは、わかりやすくいえば「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という考え方です。自分よりお国が大事、という全体主義から個人主義の時代を経て、個人を大事に、でもみんなでひとつになろう、というホールネスの考え方が登場したのは大変興味深いです。全体主義がみんなで同じメロディーを歌うユニゾンなら、ホールネスはそれぞれ別のメロディーを歌いながら美しいハーモニーを響かせるコーラスです。具体的な職場のあり方としては、自分らしくいられる、自分にあった環境というのがキーワードです。

それを実現するためには、まず職場が、自分をさらけ出せる安全な場所である必要があります。人間が生きていくためには、まずなにより自分に合った環境が必要でしょう。逆に自分に合った環境さえあれば、多少風邪などをひいても自然の快復力が働き、健康でいることが出来ます。コンピューター制御のロボットであるオレンジ組織が、定期的な監視とメンテナンスを必要とするのと対照的です。

次ページ 「人は誰しも、ユニークな「存在目的」を持っている」へ続く