日本らしいマーケティングを考えてみよう(本間 充氏)

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マーケターは、マーケティングを考えることも仕事

マーケティング戦略には、さまざまなものがあります。そして時代の変化に合わせて、マーケティングの手法も変わります。その手法は誰が考えるのでしょうか。他ならぬ、マーケターです。

今回の本では、「シングル&シンプル マーケティング」というマーケティングを定義し、マーケターの皆さんの中で、それぞれにマーケティングを考える議論が起きればと考えたのです。これからのマーケティングはお客様の属性や、お客様との関係性により、さまざまなマーケティングが出てくると思います。同じ業界であっても、異なるマーケティングになることが多くなるでしょう。

今までマーケターは、過去の実践例の中から、自分たちのマーケティングに相応しいBest Answerを探すことが多かったのではないでしょうか?それは、お客様の属性や、お客様との関係性が、どのマーケティングでも似ていたからかもしれません。しかし、この本でも書きましたが、BtoCマーケティングを例にすると、日本市場には多様化が進んでおり、会社や事業ごとにお客様が異なってきます。

図 所得金額階級別に見た世帯数の相対度数分布図

例えば、ここに示した2つのグラフは、日本の世帯年収を示したものです。平成8年と平成28年の調査では、これほど様子が異なっています。わかりやすいポイントとしては、平成8年の方が、平均値を中心とした対称性が高いのですが、平成28年調査のデータは、対称性が少なくなっています。それだけ、低額収入と高額収入の世帯の2極化が進んでいるのです。

このように市場に多様性がある今は、他のマーケターが成功した事例を、同じように成功させるには、手法以上にマーケティング対象のお客様の条件も一緒でないと、同様の成功は得られないのでしょう。つまり、これからのマーケターは人の事例から学ぶ以上に、自らもマーケティングを考えないといけないのではないかと考えたのです。そこで、まずは自ら「シングル&シンプル マーケティング」という手法を提示し、皆さんの議論の活性化につながればと思ったのです。

求む、他のアイデア

他にもさまざまマーケティングのアイデアはあります。ぜひ、この本をきっかけにさまざまなマーケティングのアイデアを考えてみませんか。多くの日本の企業は、日本でマーケティングを行っています。つまり、日本市場に最適化されたマーケティングを考えることで、より日本らしいマーケティングを考えることも、グローバルな時代にも必要なのではないでしょうか。

皆さんの考えた新しいマーケティングにより、日本も、日本で活躍されるマーケターにも活気が出ることを、新しいマーケティングを大きな叩かれ台として出した著者として、望んでいます。

本間 充(ほんま みつる)
アウトブレイン ジャパン株式会社 顧問/アビームコンサルティング株式会社 顧問

宣伝会議 デジタルマーケティング実践講座、デジタルソリューション営業基礎講座、データマーケター育成講座、広告効果測定講座、メディアプランニング基礎講座、マーケターのためのKPI設定講座講師。
1992年、花王株式会社に入社。1996年まで、研究員として、スーパー・コンピューターを使って、数値シミュレーションを行う。社内で最初のWeb サーバーを立ち上げ、以後本格的に業務としてWeb に取り組む。2015年に、アビームコンサルティング株式会社に入社。多くの事業会社のマーケティングの支援、Web コンテンツ管理システム導入を行う。その他、ビジネス・ブレークスルー大学講師や、東京大学大学院数理科学研究科客員教授(数学)、内閣府政府広報アドバイザー、文部科学省数学イノベーション委員などを務めている。

 


シングル&シンプル マーケティング
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