CMで使いたい役者を劇場で見つける
佐久間:それはありますよ。でも、何回か見て、これは好きだけど、史実ばかり扱っていて、題材的に重いから、テーマが軽いときしか行かないなど決めてる劇団はありますけど。
角田:それはありますよね。
佐久間:具体的な劇団名を言うと、「ナカゴー」という劇団があって面白いんですよ。でも、毎回最後のほうに阿鼻叫喚みたいになるんです。役者が全員、大声を出しはじめて。僕と澤本さんの見解は、面白いけど、阿鼻叫喚の時間が20分を超えると耐えられないと(笑)。
角田:20分もあるときがあるんですか? 見たことないので見たいですけどね。
佐久間:ずっと続くんですよ。面白いんだけど、20分続くと片頭痛が起きるという。
澤本:面白いんですよ。人に聞かれたら面白かったと言うんだけど、見てるときに、人間として生理的に限界点を超えるところがあって、頭痛いと。
角田:いろいろな表現方法があるでしょうからね。好みもあるよな。澤本さんは佐久間さんルート以外にもあるわけですよね?
澤本:でも、演劇とお笑いに関しては大きくは佐久間さん1本絞りに近い。もともと見ていたのはそんなに多くなかったんですよ。いくつかの好きな劇団があって、そこを繰り返し見ていたので、幅広くなったのは、佐久間さんとTBSプロデューサーの佐野さんの影響が大きいですね。
角田:CMで役者さん使いたい、この人いいなというのは、そういうのを見て。
澤本:思いますよ。リアルに言うと、僕らの仕事はクライアントがあるので、このクライアントにはこの人を使いたいというときは、納得してもらわないといけなくて。というと、そこそこ知名度が高くないと難しいんですけど、制作予算が低いことがあるんですよ。今回は安いけど、または今日頼んで明後日撮影というときに、この間見た劇団のこの人いいんじゃないですかと。許諾ほぼなしに使ってみるというのはあって。
角田:なるほど。そういう人を何人か頭の中に常に入れておいて。
佐久間:TBSの佐野さんと仲良くなったのは1年前ぐらいですけど、30人ぐらいしかいないお芝居を見に行ったら、隣によくいたらしいんですよ。佐野さんが手掛けるドラマ『カルテット』には俺の好きな役者ばかり出てるなと思ったら、同じお芝居ばかり見てるから。
角田:同じ方をいいと思ってるから。
佐久間:そう、そういうことってあるんだなと思って。本当か嘘かは置いておいて、『久保みねヒャダ こじらせナイト』に僕がゲストで出たときと、フジテレビのプロデューサーのみなさんと話したときに、フジテレビは昔、河田町にあって下北にも近いからたくさんお芝居を見ていたから、三谷さんなど面白い変わった小劇場出身の人が出てたけど、お台場に行ってからは物理的な距離があって、小劇場の時間に間に合わないから、数が多少減った。それで面白い芝居の役者が出てくる数が減ったと聞いて。単純に社屋の物理的な距離が。
角田:そうか。フジはお台場になっちゃうと時間的に行けないから。
澤本:それは本当にあるかもしれないですね。僕、大学のときに授業にフジテレビの横澤彪さんが先生として来ていたんですよ。横澤さんはずっと演劇の話をされていて、小劇場のザ・スズナリに行って、第三舞台や新しい劇団を見て、こういうのいいよねという話をされていて。僕が「テレビの人って劇団を見に行くんですか?」と聞いたら、「そういうところから捕まえてくるんだよ」とおっしゃっていました。それこそ劇団が小さい頃から見ていって、育てるのが好きだったような口ぶりでした。でも最近はテレビの方で劇団の話をする人はあまりいないですね。
佐久間:行ってる人はいるだろうけど、数は減ってるんじゃないかと。これはもともとフジテレビのプロデューサーも言ってたし、「久保みねヒャダ」の3人が言ってたんですけど。
角田:というか、その番組にも佐久間さん出てるんだなと。フジテレビにまで当たり前のように(笑)。すごいですよ、それは。
佐久間:僕、本当にうれしかったのは、去年、松尾スズキさんと対談したんですよ。松尾さんのお芝居にハイバイの岩井秀人さんが出ていて、ものすごいウケを取ってたんですね。「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」というお芝居で。それも皆川猿時さんと兄弟で、何だったら皆川さんを食うぐらい笑いをとっていて。松尾さんに「すごいですね」と言ったら、「いや佐久間さんのおかげだよ」と言われて。
澤本:えぇ!?
佐久間:「何でですか?」と言ったら、「俺はキス我慢を見て、あの役者うめーなと思ってブッキングした」と。
角田:出た、佐久間ルート(笑)。
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