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地域が稼ぐ観光 ~ 地域独自の資源で新たな価値を創造する

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観光に力を入れている地域は多数ありますが、その地域が「稼ぐ」ことはできているのでしょうか?
書籍『地域が稼ぐ観光』(宣伝会議刊)の著者、大羽昭仁氏(未来づくりカンパニー 代表取締役)に、観光で地域が豊かになるための仕組みづくりについて聞きました。

体験プログラムで地域活性

—「地域が稼ぐ観光」をテーマに書籍を出版した理由は?

未来づくりカンパニー 代表取締役 大羽昭仁 氏

観光地で地元の人と話すと「若者の担い手が減り仕事が続けられない」という切実な声を聞きます。観光客数が多くても、地域が稼げているとは限りません。景色だけが売りで観光客がお金を使う場所がない、イベントで人が一時的に集まっても地域にお金が落ちない、といったケースもたくさんあります。高度成長の時代に多くの観光客で成り立っていた観光地も、人口減や消費意欲減の局面で、継続的な事業収入が得られなければ働き手も減り、地域全体が衰退してしまうのです。こうした現状を打開すべく、観光の在り方をゼロから考え、「地域が稼ぐ観光」に取り組んでいます。

観光地では、地域に人を呼ぶための施策として、パンフレットを制作したり交通広告を活用したりイベントを開いたりと、地域を知ってもらうためのプロモーションに比重を置いてきました。成果のものさしは、認知の獲得やイベント誘客人数であり、いくら利益を出したかではなかったのです。しかし「地域が稼ぐ観光」を実現するには、評価のものさしを、観光客数から観光消費額へ、イベントによる一時的な集客から日常的な集客へと変えていく必要があります。前例踏襲で満足せず、これまでの施策を見直す時期に来ていると思います。

—本書の中では、観光を取り巻く生活者の変化についても触れています。

スマホやSNSの浸透は、観光行動に大きな影響をもたらしました。インターネットで自分の好きな観光情報を集め、宿泊や移動の手続きも行えるようになり、SNSを通じて同じライフスタイルの人同士がつながりやすくなっています。マスメディア全盛の時代は、みんなが知っている話題の場所を観光する、物見遊山の旅に人が集まりましたが、今生活者は自分の興味・関心を満たせる体験ができる旅を選ぶようになっています。ですから、観光地ではどんな観光体験ができるか、というプログラムの魅力化を重視していく必要がでてきているのです。

この「観光体験のプログラム化」は、「地域が稼ぐ観光」を実現するうえで特に重視しています。宿泊施設、観光施設、アクティビティといった「点」で収支を見るのではなく、その地域で観光施設をめぐり、アクティビティを楽しみ、宿泊してもらう。つまり「面」で収支を見て、ストーリー性のあるプログラムをつくっていくと、地域でお金を落とす仕組みを設計しやすくなります。

—「地域が稼ぐ観光」に取り組みたいという方へアドバイスを。

前例主義で他の観光地で実施したことを取り込もうとすると同質化してしまい、結果的に価格競争に陥ってしまいます。観光体験プログラムをつくるうえでは、その地域にしかない資源と、生活者を引き寄せる価値を掛け合わせ、独自の新しい価値をつくっていくことをおすすめしています。ぜひ一緒に、地域の新しい価値を創造し、観光から地域を活性化し、日本を元気にしていきましょう。


『地域が稼ぐ観光 ボクラはコトづくりでチイキのミライをつくる』
10月11日発売
宣伝会議
203ページ、1800円+税

地域が稼ぐ観光 ボクラはコトづくりでチイキのミライをつくる

「体験をベースとした観光プログラム」で、地域が稼ぐ仕組みづくりをいかに実践していくか。観光に対する生活者の意識変化から事業計画の立て方まで、著者自らの経験談をふんだんに織り交ぜながら解説した1冊。



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