経営者発想で考えるマーケティング- スカパーJSAT、セイバン、モンデリーズ・ジャパン、有楽製菓が見据えるマーケターの次なる役割とは?

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大切なのは「Make Difference」-いかにDifferenceをつくれるか?

セイバン 代表取締役社長 泉貴章氏

泉氏が入社したばかりの頃、「天使のはね」シリーズは供給量がコントロールできず、値下げして販売されてしまうこともあったという。

「このままでは、ブランドが壊れてしまうと危機感を抱き、生産量を半分ほどにまで絞り、ブランドを守ることに力を入れました」。

その後、販売チャネルも絞り込み、6年かかり、ようやく卸売業を介さない、100%の直販体制が構築できた。

「瞬間的に売上は落ちるので社内からはもちろん猛反発がありました。ですが、ブランドを守る上では必要な決断だったと思っている。いま、ご利用いただいているお子さまが自分たちの子供が小学校に入学するときに、また選んでいただけるくらいの長い関係性をつないでいきたい」(泉氏)。

2年前にJリーグとの契約を失い、初めて数万件規模でお客さまを失ったというスカパーJSAT。「お客さまを失うまで、長年連れ添った夫婦のように一緒にいるのが当たり前すぎて、お客さまのことを十分に知らなかったんです」と三上氏は明かす。

現在はYahoo!やスマートニュースに番組の記事が掲載されるよう、スカパー!ドメイン外に“ヒト”をフィーチャーした番組情報サイトを立ち上げたり、スカパー視聴者が自由に意見を言い合えるコミュニケーションの場をつくったりと様々な試みをしている。

「300万人以上いる今のお客さまをこれまで以上に大切にしていかなければいけない。ファンサイトは3日で1万件の登録があって、お客様から待望されていたということがわかった。新規の開拓だけでなく、今後は既存のお客さまのニーズを知る施策に力を入れたい」(三上氏)。

有楽製菓は、駄菓子カテゴリーだけでなく、チョコレートカテゴリーでもプレゼンスを高めたいと意欲を見せる。看板商品でもある「ブラックサンダー」は北海道や東京、愛知、京都、沖縄などの地域限定商品だけでなく、歌舞伎の市川海老蔵さんとコラボした「海老蔵サンダー」など様々なコラボを展開している。

森氏は、京都へ行った際に京都限定の「ブラックサンダー」を見つけ、「応仁の乱以来の衝撃!!」というコピーを見て驚いたという。どうキャッチコピーを考えているのか興味を持ったそうだ。モンデリーズ・ジャパンではマーケティング戦略において、「Make Difference」を重視しているため、この商品に関心を持ったという。

有楽製菓 代表取締役社長 河合辰信氏

「この商品は『京都銘菓おたべ』を製造販売する美十さんに監修していただいているのですが、このコピーは先方さんが出してきてくれました。社内でも、意見は取り入れてディスカッションをしているが、社外の方にもできるだけ出せる情報は出して同じ状況で考えてもらい生み出しています」と河合氏。

通常、コラボレーションというと新規顧客獲得を目的に行うことが多いが、河合氏は「コラボレーションもキャッチフレーズも、最終的には『ブラックサンダー』を好きなお客さんがこれを喜ぶかどうか」だと話す。

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「多すぎる選択肢 お客さまは、選ぶのが面倒になっている」へ続く

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