ジャケットの写真は篠山紀信さんが撮ったものだった
和田:これはうちの実家の物置にしばらく眠っていてですね、あるとき実家に帰ったときに母親が「こんなのあったわよ、唱ちゃん、このときかわいい、見てこれ」と。
権八:お母さまは有名な料理家の平野レミさんですね。
和田:そう、「唱ちゃんかわいかったねー」って。その写真を僕も覚えていて、「あったね、これ」と。その写真はクオリティ的にもジャケットに使えるぞと。ちょうどジャケットをどんなものにしようかなと考えてたんです。今の俺の顔のモノクロも考えてたんですけど、あれを見たときに「これかもしれない」と思って。タイトルもそのとき『地球 東京 僕の部屋』と考えていたので、写真と合わせてみたら、不思議と何か良い雰囲気だったんですよ。
澤本:マッチングの具合がね。自分のオリジンっぽいしね。
権八:自分の原点に立ち返るというか。あれは5歳ぐらいの写真ですか?
和田:そうですね、1980年ぐらいでしょうね。
権八:そういうイメージがあったんですか?
和田:そうですね。子どもの頃を振り返ったような歌詞も多いし、ちょうどリンクするんですよね。
権八:しかもこの写真が豪華なんです。
和田:ブックレットの裏を読んでクレジットを見たら、あれ、加納典明さんと。
権八:え、違う。
和田:違う違う、篠山紀信さん。
権八:今のボケですか(笑)? 素で間違えるわけないですよ。篠山紀信さん。これがビックリなんですけど、なんでですか?
ジャケットの写真は篠山紀信さんが撮ったものだった
和田:うちの親父がライトパブリシティという広告会社に勤めていて、そこでイラストを描いていたわけですよ。
権八:和田誠さんですね。
和田:そうです。その数年後にカメラマンとしてその会社に篠山紀信さんが入ってきたんです。つまり、うちの親父の後輩だったんです。2人はずっと仲良しで、お互いに独立してからも仲良しで。たとえば僕が生まれたときに、「しの、ちょっと撮ってよ」という感じで、生まれたばかりの僕と父と母とスリーショットを篠山さんが撮ってくれたりしてるんです。
今回のジャケットの写真はたぶん記念日的なものじゃなくて、普通の日なんですよね。篠山さんが家に遊びにいらして、そのときにカメラを持っていて、何の気なしにパパッとスナップ的に撮ってくれた写真なんでしょうね。
権八:豪華ですよね。そんな贅沢なことが。
和田:まさか何十年のときを経て、ジャケットになるとは僕も思わなかったですけど。
権八:これ本当に素敵なジャケットなので、ぜひチェックしてみてください。もちろん、このアルバムも。というわけで、そろそろよろしいでしょうか。恒例の弾き語りのほうを。
和田:そうですね、せっかくなのでメドレーで。前回は邦楽のポップスを何曲かやりましたね。
澤本:やってくれましたね。聖子ちゃんもやってくれて。
和田:そうです。なので今回も僕のパッと思いついた好きな曲。説明しましょうね。まずはKANさん。共演も何度もさせてもらっていて、KANさんと出会う前から好きだった曲で、KANさんの前でも何度も歌っている『プロポーズ』という曲。その後にやっぱりaikoをちょこっと入れたいなと。ちょこっと『えりあし』。最後はたまには自分の曲をやろうかと。
澤本:やってくださいよ、お願いします。
和田:澤本さんとの思い出の曲ですよ。『Shout!』。澤本さんなしでは生まれなかった曲なので。「Shout!」というところはお二人、シャウトしてくださいね。
権八:これね、毎年なかなかうまく乗れないんですけど(笑)。
和田:それでは『プロポーズ』、『えりあし』、『Shout!』、いってみましょう。
<♪〜演奏>
権八:ありがとうございました! まずは『プロポーズ』、いい曲ですけど、聞いていて気になっちゃったのは上野樹里ちゃんにどういうプロポーズをしたのかなと。
和田:あぁ、そこですか(笑)。プロポーズ、しましたよ。指輪を渡すべきところに気づかれないようにちょっとずつ移動させて。何も持ってないていでやりましたね。
澤本:努力してるんですね。
和田:至ってカジュアルです。さらっと。
権八:ずっとそれをイメージしていて。奥様にこんな感じで言ったのかなと。素晴らしい。
澤本:かっこよかったね。
権八:めちゃくちゃかっこいいのに、『Shout!』のコーラスの僕らが全然声出てなくて。すみませんでした。
和田:やっぱり一緒に歌わないと。
権八:歌いたいけどキーが高いから。すみませんでしたとしか言いようがない。
澤本:最初出そうとしたら痰が絡んじゃって(笑)。
権八:『Shout!』は澤本さんなしでは生まれなかったというのは?
澤本:東京オリンピックパラリンピックで野球とソフトボールを正式競技にしてほしいという運動をするときにテーマソングを和田くんにお願いしたら、これをつくってくれて。
権八:素晴らしい動画でしたよね。みんなでキャッチボールして。
和田:素晴らしかったですね。完成した動画を見たとき、めっちゃうれしかったですね。あれも澤本さんのアイデアで。
澤本:和田くんの歌に合わせてみんなが次々とキャッチボールを繋いでいくという。
権八:この歌のパワーもあって見事に正式種目になりましたね。まだまだ聞いていたいので、来週も引き続きお願いします。
<END>
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