全社員がブランドの体現者に
大橋:私たちとしては、認知度が着実に上昇している一方で、課題にも直面しています。そもそも社名変更をした理由は、派遣や人材紹介といった単一事業を超えて、グループ一体となって顧客・社会に新たな価値を提供していくためでしたが、自分たちの期待する効果は事業部門とコミュニケーション部門で違いがあったりします。
事業部門からすると、名称を変えることで売上やサービス利用者の増加といった短期的な効果への期待があります。一方で、コミュニケーション部門からすると、名称変更の効果を事業貢献度や社会貢献度でも可視化して、中長期でその指標を設定して追いかけたいという考えがあります。全社・全部門で当事者意識を持つためにも、これらの考えの違いをすり合わせながら、グループ全体でコーポレートコミュニケーションを推進するためのチャレンジを、日々行っているところです。
川嵜:私たちは対社内では、「利他主義(altruism)」という社是をはじめ、「常に革進することで、より多くの人々が心からの“安心” と“喜び” を得られる社会の仕組みを創る」という経営理念やガイドライン、スローガンといったものまで、しっかり浸透していると言えそうです。
ただそんな中でも、今まではコーポレートメッセージとスローガンを打ち出すこと以外には取り組めていない状況がありました。そのため、対社内に経営理念とブランドパーパスはしっかりとつながっていると、メンバーに理解してもらうという活動をスタートさせています。
現在は経営理念とブランドパーパスの関係を説明する際、経営理念は「何を目指してどう会社をつくっていくか」という経営陣の変わらない考え方。ブランドパーパスは「その経営理念を実現するために消費者や社会をどう動かしていくか」という活動指針だと話しています。
対社内のインターナルブランディングも含めたあらゆるブランド活動は、最終的に我々の目指しているビジョンや経営理念を達成するための活動だと思っています。全社員がLIFULLのブランド体現者になることが、我々の目指している世界観を築くことにつながるはずなので、まずはしっかりブランドを理解し、それを実践する状況をどう構築していくか。それがインターナルブランディングの目的だと考えています。
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