「地域版SDGs調査」幸福度トップ3は宮崎・熊本・福井

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ブランド総合研究所は9月6日、幸福度や満足度などから都道府県別の住民目線で地域を評価する「地域版SDGs調査」の結果を発表した。

同社は毎年、地域ブランド調査を実施し「都道府県魅力度ランキング」などを発表しているが、SDGsを切り口とした調査は初。同日、都内で記者発表会が行われ、「幸福度」のトップ3は宮崎県・熊本県・福井県、「満足度」のトップ3は千葉県・兵庫県・埼玉県といったランキングも明らかとなった。

当日は、同社の田中章雄代表取締役が登壇。本調査の目的や概要を説明した後、今回の調査結果について発表を行った。

本調査は47都道府県の男女(15歳以上)を対象に、2019年7月12日~29日にかけて実施。調査はインターネット上で行い、都道府県ごとに約340人、全体で1万5925人の有効回答が得られた。

居住している都道府県に対して、①幸福度 ②生活満足度 ③愛着度 ④定住意欲度 ⑤SDGs認知度 ⑥投資経験の基本指標6項目を調査。住民目線で地域の評価を数値化した。

また2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の16のゴール(パートナーシップは除く)と169のターゲットを参考に、「住民の悩み」48項目、「社会の課題」48項目を設定。それぞれに「その他」「悩みはない」を加えた50項目から自由選択(何項目でも選択可)という形で調査を実施。基本指標調査との相関関係なども数値化した。

本結果は総合報告書としてまとめられ、9月20日ごろから同社より販売される。

都道府県ごとのSDGsにつながる地域課題を明確化

「住民の悩み」を全国でみると、最も多く挙げられたのは「低収入・低賃金」で35.8%。次に「ストレス」(28.7%)「貯蓄・投資」(28.6%)と続いており、SDGsのゴール「貧困」「健康・福祉」に関する項目が上位10位を占める形となった。

また地域別で見たところ、悩みが一番多かったのは秋田県で4.26個。特に東北地方や過疎化が問題視されている地域で悩みが多い傾向にあることがわかった。また、最も悩みの少なかったのは愛知県で2.51個であった。

住民の悩みトップ10

 
「社会の課題」の設問に関して最も多く上げられたのは「少子化」で27.5%。次いで「人口減少・過疎化」(27.2%)「高齢化」(25.3%)が続いた。SDGsのゴール「教育」「都市」についての項目が上位を占め、この項目への取り組みが求められていることがうかがえる。また、8位には「詐欺・盗難・犯罪」(18.5%)がランクインし、「日本は安全な国である」という国際的な評価とは乖離した結果となった。

課題が最も多かったのは静岡県の6.24個。岩手県(6.14個)、大阪府(5.96個)が続く。同じエリア内でも順位に差がみられ、人口との関連性も見られないことから、自治体ごとの取り組みの差が表れたのでは、と田中氏は考察した。
 
社会の課題トップ10

 

満足度1位は千葉県 20%が生活に不満

現在の生活について「満足しているか」を聞いたところ、13.1%が「とても満足」、46.0%が「おおむね満足」と答えるなど、6割近くが「満足している」結果に。一方で「全く満足していない」が6.3%、「あまり満足していない」が14.0%と、合わせて20.3%が「満足していない」と答えている。

都道府県別で最も満足度が高かったのは千葉県(66.4点)で、次いで兵庫県(65.9点)、埼玉県・愛知県(65.5点)、滋賀県・福岡県(65.0点)の順となった。傾向としては、大都市圏の都府県の順位が高いが、最下位の秋田県(51.4点)など東北の各県が全般的に低い結果となった。

満足度と、上記の「住民の悩み」の中で「電車やバスの路線廃止・減便」との相関係数は-0.71、「病院・医療施設の不足」は-0.70といずれも強い負の相関があり、これらの項目は満足度を低下させる影響が大きいと分かった。

幸福度に関して都道府県別でみてみると、1位は宮崎県で72.4点。熊本県(71.0点)福井県(70.6点)と続く。最下位は満足度と同じく秋田県(60.5点)で、満足度と同様に、東北各県の順位が低い結果となった。

 
幸福度ランキング

 

満足度ランキング

 

人口分布に近似 定住意欲度は地方に課題

現在居住している都道府県に「今後も住み続けたいと思うか」を聞いたところ、37.6%が「ぜひ住み続けたい」、32.5%が「できれば住み続けたい」と答え、7割以上が「住み続けたい」と答えた。一方で13.1%が「移住したい」と回答した。

都道府県別では北海道が84.2点と最も高く、次いで福岡県(80.6点)、大阪府(78.3点)、沖縄県(78.0点)という順になった。一方で、東北や北関東、山陰地域の各県が低く、持続性への課題が大きい可能性がある。また、北海道は「愛着度」においても1位を獲得している。

なお、定住意欲度でも満足度と同様に「電車やバスの路線廃止・減便」や「病院・医療機関の不足」の項目と強い負の相関があり、これらが定住意欲度を低下させる影響が大きいことが分かった。

 
愛着度ランキング

 

定住意欲度ランキング

 

企業版も2020年1月に発表予定

本調査の結果をもとに、国内の有力企業、また希望する企業に対してSDGsの視点から企業がどのように評価されているのかを調査・数値化する「企業版SDGs調査」を実施。2020年1月頃に発表を予定しており、現在調査企業を受け付けている。

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