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メルカリと博報堂生活総研が発表、フリマアプリが生む「現代版おさがり文化」

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メルカリ総合研究所と博報堂生活総合研究所は8月31日、「フリマアプリ取引構造の実態分析」の共同研究結果を発表した。2019年のメルカリ取引データを分析したところ、メルカリ内で取引される商品カテゴリーのうち、

38.0%が、出品者・購入者の平均年齢が一致する「年齢一致型」
27.0%が、年下から年上への「逆おさがり型」
20.5%が、年上から年下への「おさがり型」

であることがわかったという。

年上から年下への「おさがり型」商品カテゴリーに当てはまるのは、「ベビーカー」などの育児用品のほかに、「ダーツ」や「美顔ローラー」など。これらはミレニアル世代からZ世代へ売られている。

大人の趣味文化「ダーツ」が、モノを介して下の世代に継承されている。

 

美容に目覚めた20歳前後のZ世代に、美容グッズが受け継がれている。

 

「フィルムカメラ」は、全年代からアナログを愛するZ世代へ受け継がれている。

 

「スケートボード」は、ストリートブーム世代間で取引されつつ、Z世代にも継承。

 

一方、年下から年上への「逆おさがり」型商品カテゴリーには、「コーヒー」などの嗜好性飲料や、「ドライブレコーダー」などの安心ツールがある。

「コーヒー」は30代から40-50代へ(お茶などの嗜好性飲料も同様)。

 

「ドライブレコーダー」は技術に明るい世代から上の世代へ。

 

変わったところでは、「練習機器(野球)=主に野球ボール」は18歳に出品のピークの1つがあり、購入者は40歳前後が最も多い。これは、野球部を卒業した高校球児が出品したボールを、野球を始める子どもを持つ親・指導者世代が購入していると推測できるという。

 

出品者・購入者の「年齢一致型」商品カテゴリーとしては、「バッジ(アニメ・コミックグッズ)」など趣味性の高いグッズがあり、また「スニーカー」など一部のメンズファッションは、二山の形で出品者・購入者の年齢分布が一致していた。

 

博報堂生活総合研究所 上席研究員の酒井崇匡氏は、これらの調査結果を分析し以下のようにコメントした。

「年上の出品者から年下の購入者へモノが流れる『おさがり型』よりも、年下の出品者から年上の購入者へモノが『逆おさがり』する商品カテゴリーの方が多いのは意外な発見。ドライブレコーダーや野球ボールなどのケースからは、生活者間の消費の対流の多様性を伺い知ることができる。生活スタイルの多様化により、結婚や出産など、人生のイベントのタイミングが揃いづらくなっている。そんな中でリアルな交友関係での『おさがり』は起こりにくくなっているが、フリマアプリがそれを補完している。さらに、モノが異なる世代間を行き来することで、新しい生活スタイルや文化を広げ、継承される場にもなっている」。