そもそもは家電見本市としてスタートしたCESですが、今日ではテクノロジーとイノベーションのイベントへと変化。スマート家電に始まり、モバイル、自動車、ロボティクス、IoT、AI、XRなど、先端的な取り組みに触れることができます。「アドタイ」の視点で森直樹氏が最新情報をお届けします。
パンデミック下で、世界の企業は今、何を発信したのか?
これまでもCESの場では、環境問題をはじめとする地球規模の課題に対する各企業の取り組みが発信されてきた。世界規模のパンデミックが進行している今、地球規模の課題に対する取り組み、さらに持続的成長への貢献は、これまで以上に各社のメッセージの主要なテーマとなっていた。
CES2021オンライン参加レポート最終回となる第3弾では、パンデミック下において世界の企業は何を発信したのか?をレポートする。
ブランドロゴまで変えたGM EV化への本気度を基調講演で発信
家電見本市として始まったCESだが、今日のCESにおいては、自動車業界は極めて影響の大きなメッセージを発信する業界のひとつになっている。2021年は、GMがオンライン基調講演を担い、EV化に向けた取り組みについて発信した。基調講演では、GMのCEOであるMary Barra氏が登場し、「事故」「CO2排出量」「交通渋滞」という3つの問題のゼロ化を実現させるには、EVが鍵になると主張。GMがEVに経営資源を投下し、事業をEVへ転換することの本気度をブランドロゴの刷新で表し、“EV”をイメージするGMのブランドへの刷新を披露した。
講演では、EV化に必要な要素技術であるバッテリーに対する取り組みを紹介。材料に関わるイノベーションやバッテリーモジュールの紹介、商用EV車によるサービス「Bright Drop」、小型商用EV車「EV600」などEVに関わる新サービスや商品を次々と発表した。
商用EV車によるサービスである「Bright Drop」は、物流事業者がサスティナビリティの実現に必要な物流プラットフォームの提供を目指すとのこと。車体の提供のみならずテレマティクスや車両管理、倉庫内で活用する電動パレットなど物流領域全体のソリューションを提供していくとのことだった。
Mary氏はさらに、「ハマー」や「リリック」などのSUVをはじめとした、30車種を2025年までにEV化すると発表し、EVに経営資源を投下していくとしている。また、このプロセスを通じて自動車の保有・運転の概念自体を再構築したいと考えていると協調していた。
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