コラム

米国マーケティング業界、トップランナーに聞く。

パンデミック・ホリデー2020‐2021:笑ったのは誰か?

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大手リテール3社のホリデー・セールを振り返る

では、大手リテールはどうだったのでしょうか。

■Nordstrom(ノードストローム)
高級百貨店ノードストロームは今ホリデーシーズン、かなり大きな打撃を受けました。2021年1月13日、彼らは1月2日以前の9週間(10月の最終週頃から始まるホリデーシーズン)の売上高が22%減少したと報告しました。しかし前年に比べてデジタル販売が増加(23%増)しており、ホリデーシーズンの売上高の50%以上を占めました

しかし、この売上の落ち込みはノードストロームにとって予想の範囲内のことなので、うまくいけば、3月に報告される第4四半期の売上高は、不振だったホリデーシーズンを相殺するような売上高の増加を示すことになるでしょう。

■GameStop(ゲームストップ)
ゲームソフトウェアおよびハードウェアの小売業者であるゲームストップのホリデーシーズンは好調だったようです。「どうぶつの森」がパンデミック中に一世を風靡したことを考えると、驚くことではないかもしれません。2020年の上半期は、任天堂だけで2019年からの同期間と比較して733%の売上急増を記録しています

ゲームストップは2021年1月11日、2019年の同時期と比較して特にデジタルゲームの売上高が309%跳ね上がったと報告しています*⁴。 店頭での売上も増加していますが、4.8%の増加にとどまっています。これらの売上は非常に強力であり、eコマースへの急速な移行を示していることから、同社は顧客の要求に応えるためにeコマースの専門家を雇用しようとしています。

■Target(ターゲット)
ターゲットは1月13日、2019年の同時期と比較し、ホリデーシーズンの売上高が17.2%増加したと報告しました。興味深いことに、ターゲットはパンデミックの間、他店舗と同様にeコマースの売上高が増加した一方で、店舗の対面販売での売上も適切に保持することができました。

ターゲットはパンデミック中も顧客を獲得しており、これは、ターゲットがロックダウン中も営業を継続していた数少ない店舗のひとつであったためと考えられます。モール型店舗や、前述のノードストロームやゲームストップのような必要不可欠でない店舗は、ロックダウンが店舗営業の大きな障害となりました。一方で、多くの人々は、こういった店舗で購入していたもの(ゲーム、衣料品など)をターゲットやウォルマートのような店舗で買うようになってきています。

外出減少で消費者の習慣も変化

ホリデーシーズンの結果とその売上は、あまり驚くべきものではありませんでした。パンデミックおよび2020年を通して、人々は外出の機会を減らしており、それにより、新しく、素敵な服の必要性が減っているといえます。

数え切れないほどのインフルエンサー、ブロガー、インターネット上のパーソナリティ、そしてミーム上でも、2020年4月ごろからいわゆる「仕事着」を着る必要がないことの喜びについて絶賛してきました。人々が新しい服を必要としないこの期間中に、ノードストロームのような店舗がヒットを生むことができるか、注目が集まっています。

同じことはターゲットにも言うことができます。パンデミック初期の数日の間、ターゲットは多くの消費者にとって唯一の選択肢であったため、買い物客はおそらく必需品購入のためにターゲットに行く、という習慣を形成しました。以前はターゲットで買い物をする習慣がなかった人も、今ではターゲットのような店舗での買物が習慣化していると考えられるため、モールのような大型ショッピングセンターの再開が許可されると、客足の変化があるなど革命が起こるかもしれません。

また、カジュアルな大人のゲーマーはたくさんいましたが、パンデミックの影響でそれまでゲームの世界に手を出していなかった人々が退屈に陥り、その結果、多くの人が初めてゲームを購入しました。ホリデーシーズンになると、そういったゲーム機のない家庭の人々が、今まで利用してこなかったホリデーのお買い得セールを利用するようになったと言われています。

米国では、1月20日に新政権が発足した後、ジョー・バイデン大統領とその政府がどのような制限やロックダウンを行うのかは興味深いところです。もしかしたら、2021年のホリデーシーズンは、2020年よりもより例年に近いホリデーシーズンになるかもしれません。

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