地域で耐久力のあるものづくりを
——今後の展望は。
皆川:将来的には、ローカルの仕事もいいんじゃないかと思っていて。ローカルにとって食は財産だし、いい生産者さんがいるのに名産品を生み出せていないケースも多いと聞くので、そういう拠点をつくったりとか。
鳥羽:食を通したまちづくりは、いつか皆川くんたちと一緒にやりたい大きなチャレンジですね。料理人としてはできなかったけど、「シズる」ならできる。この街にどんな飲食店があったらどう変わるか、どんなオペレーションであれば週5日の営業ができるか、ってところまで考えるのがシズるだと思っているので、そこは事例をつくっていきたい。
井手:広告の技術と食を組み合わせることで、地域やお店が長く残ったり、レシピとして残ったりっていう耐久力のあるものづくりにはすごく可能性を感じますね。
鳥羽:耐久力って、置き換えるとサスティナビリティとか、続けていける力かなと思っていて。「シズる」は、食というフィールドにクリエイティブが入ることで、バズの先にある文化を見据えた提案ができる唯一無二の会社なんです。その価値はどんどん大きくなっていくだろうし、今後はそういう会社が増えていくと思います。
鳥羽周作(とば・しゅうさく)
シズる 代表取締役社長 兼 「sio」オーナーシェフ
1978年生まれ、埼玉県出身。Jリーグの練習生、小学校の教員を経て、32歳で料理人の世界へ。2018年、代々木上原にレストラン「sio」をオープンし、ミシュランガイド東京で2年連続星を獲得。また、業態の異なる5つの飲食店(「o/sio」「純洋食とスイーツ パーラー大箸」「ザ・ニューワールド」「㐂つね」)も運営。書籍、YouTube、各種SNSなどでレシピを公開するなど、レストランの枠を超えたいろいろな手段で「おいしい」を届けている。
2021年4月、博報堂ケトルとチームを組み、食のクリエイティブカンパニー「シズる株式会社」を設立。モットーは『幸せの分母を増やす』。
皆川壮一郎(みながわ・そういちろう)
博報堂ケトル クリエイティブディレクター
1978年生まれ。営業職、マーケティング職などを経て、現職。趣味と実益を兼ね、夜な夜なスマホ片手にSNS界隈をパトロールし、実際にそこから企画のヒントを得ることも。主な受賞歴は、クリエイターオブザイヤー メダリストなど。
井手康喬(いで・やすたか)
博報堂ケトル クリエイティブディレクター/コピーライター
2004年に博報堂入社、ストラテジックプランニング局に配属。2008年にコピーライターへ転身、2020年にケトル参加。コピー/CM/ブランド戦略を軸にしながらも、PR/アクティベーション発想を採り入れた課題解決が強み。Cannes Lionsシルバー、AdFestグランプリ、ACCシルバー、TCC新人賞/TCC賞ファイナリスト、PRアワードグランプリなど。
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