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アディダスが考える、サステナブル・コラボレーションの可能性

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サステナブルを経営課題に置いたプロジェクト、商品開発に先駆的に取り組んできたアディダス。2021年は競合にもあたるオールバーズや、世界的なキャラクターとのコラボレーションも次々発表。サステナブルストーリーを伝える上でこれらのコラボレーションの意味とは?

※本記事は、月刊『広報会議』2021年8月号(7月1日発売)からダイジェストでお届けします。

アディダス ジャパン
創業年:1998年
広報人数:非公開


アディダスに見る! 本気のSDGs視点
・サステナブルを理由にパフォーマンス、デザイン性を顧客に我慢させない
・企業理念「スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力があります。」を体現する、「走り」などスポーツ活動とひもづけたコミュニケーション設計
・ブランドの方向性は親近感のあるキャラクターとのコラボや、スポーツでのパフォーマンスで、直感的に伝わる魅せ方に

アディダスのグローバルパーパス「スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力があります。」このパーパスを体現していく上で、サステナビリティが企業活動の根幹になるのは必然だったと、ブランドコミュニケーション 西脇大樹氏はいう。

「スポーツをされる方、応援される方、ファッションとして楽しまれる方、そしてお取引様……様々なステークホルダーに、私たちが幸せな人生を提供していくためには、地球にとってより良い製品を生み出していくことは必須。そこに取り組まなくてはいけないという課題感は早くから抱いていました」。

2015年海洋環境保護団体パーレイとのパートナーシップを発表し、その姿勢はサステナブル経営の先駆けとして、世界中に認知されることとなった。

スポーツ×サステナブル

同社が活動を行う上で意識している点。それは商品のパフォーマンスやファッション性を顧客に我慢させない、妥協しない商品開発の部分だ。「地球環境に良いことを言い訳にパフォーマンスが十分でない、デザインにトレンドが取り入れられていないとなると、当たり前ですが人の手は伸びないんです。そうすると結局私たちの活動や想いも広がっていかない。広報する上でもパフォーマンスの保証やデザイン性は丁寧に伝えるようにしています」。

まだ、サステナブルへの認知が低かった取り組み開始当初は、パフォーマンス低下への心配の声が大きかったという。

「2016年、サッカーチームバイエルン・ミュンヘンとレアル・マドリードの選手たちに、海洋プラスチックゴミ素材を使用したユニフォームでプレーしてもらうという取り組みを行いました。世界的なクラブチームの選手たちが変わらず素晴らしいパフォーマンスを行う。言葉だけではなく、ビジュアルで直接的に、楽しく、分かりやすく伝えることが、新しい取り組みに理解してもらうために重要な部分だったと思います」。

また、アスリートからの発信、スポーツ文脈の中でのプロジェクトは、同社のコミュニケーション設計で特に意識している点だ。

「2017年から行っている海洋プラスチック汚染に対するグローバルムーブメント『RUN FOR THE OCEANS』はその最たる例です。走ることが環境保護の寄付に直結します。スポーツの啓蒙とともに行っていくからこそ、アディダスが行うサステナブル活動として意味を持ちます。活動自体はずっと変わっていませんが、社会のサステナブルへの関心の高まりによって、継続してきたことへのブランドの信頼度につながっていると感じます」。

2017年から行っているグローバルムーブメント『RUN FOR THE OCEANS』。2021年は全世界で500万人以上が参加、5400万km以上の走行距離を達成した。自治体やアスリートとのコラボも年々進んでおり、2021年は渋谷区とも連携。「バーチャル渋谷サミット by adidas RUN FOR THEOCEANS」も実施した。

 

ブランドの方向性を自然に示す

2021年は定番モデル「スタンスミス」をリサイクル素材に切り替えた。

……本記事の続きは『広報会議』2021年8月号に掲載。
同号ではほかにも、KDDI、P&Gジャパン、明石スクールユニフォームカンパニー、田谷など、SDGsに取り組む企業の、コミュニケーション設計のポイントを紹介しています。

広報会議2021年8月号

【特集】
SDGs実践!
経営変化と企業コミュニケーション

GUIDE 広報力が企業のサステナビリティの強さを決める
本物のサステナビリティ経営で
企業はどう変わるのか、広報の役割は?
坂野俊哉、磯貝友紀(PwC Japanグループ)

CASE1 社内浸透と部門連携
「やらされ感」から「納得感」へ
全部門が絡むSDGsプロジェクトにするには
KDDI

CASE2 サステナブル・コラボレーションの可能性
ブランドの方向性を直感的に認知させる
コミュニケーション設計の鍵とは
アディダス ジャパン

CASE3 専門部署ではなく、皆が貢献する組織づくり
LGBTQ+層へのアライ育成研修を開発
アライの人たちが実務を担うまでに浸透
P&Gジャパン

INTERVEIW 事業を根底から覆す目標を掲げてのコミュニケーション
たばこ会社が「煙のない社会」を
どのように実践、発信しているのか
フィリップ モリス ジャパン

元ディレクターが教える テレビ番組制作者の本音 特別編
安易にSDGsを謳うのはNG
社会的な文脈で新しさを打ち出そう
下矢一良(PRコンサルタント)

COLUMN テレビは今、SDGsをどう扱っているか
視聴者の行動変容が目的のキャンペーン
番組とのタッチポイント増やす工夫も
NHK

CASE4 新商品から採用まで 多角的なメリットがSDGsに
循環可能な「SDGs制服」で
地球品質を目指す企業の理解促進
明石スクールユニフォームカンパニー

CASE5 本業ならではのSDGsへの貢献
素の自分をさらけ出せる企業目指し
トランスジェンダーのモデルをアンバサダーに
田谷

GUIDE 中小企業のSDGs広報
気づけば選ばれない会社に
正しい手順で自社のSDGsの芽を見つけよう
青柳仁士(一般社団法人SDGsアントレプレナーズ代表理事)

危機管理に詳しい弁護士が解説
リスク広報最前線 特別編
浅見隆行(弁護士)

GUIDE DX時代の情報開示のポイント
サイトでの情報開示は企業の存在感へ
ステークホルダー・ファースト視点が鍵に
安藤光展(一般社団法人CSRコミュニケーション協会代表理事)
CASE STUDY
日立製作所/ローム/大阪ガス