コラム

世界の小売から。 オランダ在住クリエイティブディレクターと仲間たちが見つけた、小売の現場の消費トレンド

中国の小売から――中国の消費の現場に何が起きてるのか?【前編:市場理解】

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違いを理解し、EC化する中国を読み解こう。

いかがだったでしょうか。この吉野さんの前編の市場理解のレポートでも膨大な情報量だったかと思います。そこで前編について私(堤)が簡単にポイントをまとめつつ、最後に個人的に興味を持った点についても触れていこうと思います。

まずこの前編では、13億人の巨大市場である中国の小売の現場から、
「中国の市場を理解する2つの視点」を学んできました。

市場理解の視点①:ビジネス慣習の違い(個人主義/実益主義/実践主義)
個人主義で縁故を重視すること。実益主義であり、スピード感を持って決めていくこと。実践主義であり、計画より実行を重んじること。こうした中国でのビジネス慣習を理解することからすべては始まるということでした。

市場理解の視点②:市場規模と成長段階の違い(10倍の市場規模と日本との差異)
ここでのポイントは、安易に日本の高度経済成長期と同じと捉えるのではないということでした。日本の10倍を超える人口は、規模の経済が働き、多くの桁違いのビジネス環境を生み出していくことを教えてくれました。

中国の特殊なインターネット事情(特にBAT:Baidu、Alibaba、Tencentの経済圏)
Baidu=検索エンジン、Alibaba=EC、Tencent=SNSというそれぞれの強みを活かしながら、各企業が経済圏をつくり上げているという特殊なIT環境について触れてきました。

EC化する中国(政府の影響力、貨幣不安、銀聯カードの普及が重なりEC化が発展)
お金の流れを掌握するためECを支援したという政府の影響力と、消費者側に通貨不安があったという買い物の負。クレジットカードが発達しなかったからこそ、銀聯というデビットカード機能を普及したという視点について見てきました。

日本と真逆の文化を理解し、EC化する中国で勝負せよ
あらためてこの前編である市場理解編を見て感じたのは、中国のあり方は多くの意味で日本と真逆であることです。

日本は和を重んじる「集団主義」の力学が強く、露骨な儲けに対し嫌悪感を示す「理想主義」的な人々も多く、事前の根回しなどが求められる「計画主義」的な文化が根強い国です。こうしたビジネスの「当たり前」で向き合うと、個人主義で実益主義で、実践主義の中国の常識と食い違ってしまいます。こうした点を頭に入れて、日本と違う特殊なインターネット環境を意識してビジネスしていくのが大事だと感じました。

今回の前編で中国市場理解が進んだとすれば幸いです。次回「中:実践編」では、発展目覚ましい「中国EC市場」にフォーカスし日本が越境ECで勝つためのマインドセットと具体的な4つの重点領域についてレポートしていきます。それでは次回「世界の小売から」お楽しみに。

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