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無観客で中止の東京2020大会ツアー お客さまに寄り添う贈り物に反響

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*本記事は10月1日発売の『広報会議』11月号の転載記事です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期の後、9月5日に閉幕した東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会。『広報会議』では2019年から、スポンサー企業の担当者に取材し、そのコミュニケーション戦略を紹介してきました。世界の注目が集まる中、社内外とのコミュニケーションを担う広報は、激動のこの大会を迎えるにあたり、どんな役割を果たしたのか。『広報会議』11月号では、「東京2020大会パートナー企業に聞く これからのコミュニケーション」と題し特集を組み、各パートナー企業の戦略や想い、これからのスポンサー活動の在り方について聞きました。その中から東武トップツアーズの事例を公開します。

Q1 コロナ禍で注力した/反響のあった活動について

当社が大会スポンサーとして実現を目指したビジョンは、「CHALLENGE(新しいことへ挑戦する風土)」「BRAND(企業価値の向上)」そして「EMPLOYEE(社内活性化)」の3つでした。しかし、無観客開催や開催への世論の変化などにより、一部の活動を除き、ほとんどの取り組みで、その目的を達成できませんでした。

オフィシャル旅行サービスパートナーとして、大会を心待ちにされていたお客さまに大会のリアルな感動をお届けしたいと、特色ある約200コースの観戦ツアーの造成、販売を行い、多くのお客さまの支持を得ましたが、残念ながら直前に無観客開催となり、実現に至らず、特に商品造成に関わってきた社員・スタッフにとって無念さだけが募ることとなりました。

直前の無観客開催決定。この無念さを、より感じているであろう観戦を楽しみにされていたお客さまへ寄り添う取り組みが必要との想いから、該当のお客さまへ「観戦予定であったチケット」と「観戦グッズ」を、私たちの想いを込めた手紙とともに、部署スタッフ全員で仕分けと梱包を行い形に残る証としてお送りしました。

その後、期せずして手にされたお客さま方から、感謝や賞賛を数多くいただき、これまでの苦労が報われ、パートナーとして関わることができた喜びを感じられた瞬間が存在したことは、当初の目的であった「EMPLOYEE」の「東京2020大会に関わることができた誇りを持つこと」が、想定外の形ながらも達成できたと思っています。

Q2 これからのスポンサーシップの在り方について

今大会は、スポンサーにおける「権利」と「義務」という点で、大会開催への世論への配慮や無観客開催などの影響によりほとんどの「権利」が行使できず、「義務」ばかりが先行したものであったと認識しています。企業としての数字的なメリットを見出すことが難しく、その点からの評価のみでは、今大会のスポンサー活動は厳しい評価とならざるを得ません。

しかし、誰も経験したことのない状況下での大会開催の中、社名や名前は出ないものの、多くのスタッフが外国人選手をはじめ関係者の出入国手続き、選手・関係者輸送や会場運営のサポートなど、旅行会社としての見識を活かした大会運営業務に関わり、選手、関係者、お客さまからの温かい感謝の言葉などを頂戴することができました。

このことは、観戦チケットとグッズの送付など、無観客開催に伴うお客さまへの対応や、それに対する感謝の言葉も含め、社員のモチベーション向上に資するとともに、培われた見識や実績、ノウハウは未来の会社、社員に永遠に語り継がれる財産、レガシーとして得ることができたと感じています。

ツアー申込者に対し、観戦予定だった試合のチケットやツアー特典であった観戦グッズとともに、同社の想いをつづった手紙を添えて送付した。これに対し「涙が出るほどあったかい気持ちになりました」「お客さまに寄り添うとはこういうことだと教わりました」「また機会があれば御社を利用させていただき、感謝の気持ちをお返ししたいです」と、SNSや同社宛に直筆の手紙などでお客さまからの喜びの声が届いたという。

――『広報会議』2021年11月号では、東武トップツアーズ以外にも東京2020大会スポンサー企業7社の声を掲載しています。
<掲載企業>
東京海上日動火災保険/イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン/みずほフィナンシャルグループ/エアウィーヴ/アシックス/東京ガス/ヤマトホールディングス
 

広報会議2021年11月号

【特集】
リリース・危機対応・ESG報告……
企業価値を高める 文章作成事例集
 
GUIDE
「記者」と交わすメール、喜ばれる文章とは
松林 薫(ジャーナリスト 社会情報大学院大学 客員教授)
 
GUIDE
不祥事が勃発! 謝罪文に必要な7つのポイント
浅見隆行(弁護士)
 
GUIDE
「誤情報」拡散を抑止する広報コメント
山口明雄(危機管理広報コンサルタント)
 
COLUMN
ジェンダー関連、誤解なく伝える心構え
ニシブマリエ(ライター)
 
GUIDE
note、オウンドメディアでの執筆アイデア
三宅香帆(書評家、作家)
 
CASE1 柳田織物
コロナ禍でも会社救ったオウンドメディア
 
CASE2 カンロ
「サステナブル経営」の実践と見通し語るレポート
 
CASE3 帝人
「アーカイブ」機能担う100号超えたニュースレター
 
COLUMN
ZOZO、京セラ
漫画ならではの表現で自社の”らしさ”を発信
 
GUIDE
ニュースリリース見出しのノウハウ
田代 順(マテリアルグループ PRトレーナー)
 
ポストコロナの戦略広報
「リリース」のテーマ一覧
井上岳久(PRコンサルタント)
 
実践! プレスリリース道場
ヤマハ
 
【東京2020パートナー企業に聞くこれからのコミュニケーション戦略】
東武トップツアーズ/東京海上日動火災保険
イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン
みずほフィナンシャルグループ/エアウィーブ
アシックス/東京ガス/ヤマトホールディングス
みずほフィナンシャルグループ/ヤマトホールディングス
 
【コーポレートブランディングカンファレンス】
CASE STUDY
凸版印刷/ミルボン
REPORT
JX通信社/プラップノード/ビルコム
 
【PR JOURNAL】
広報担当者のための企画書のつくり方入門
非営利組織との「パートナーシップ広報」
企画書の書き方 ポイントは
片岡英彦
 
オフィスの今と未来を考える
阿部智和(北海道大学 准教授)
 
職場の多様性と経営倫理
谷俊子(関東学院大学 経済経営研究所)
 
スポンサーシップ未来予想図
山口志郎(流通科学大学 准教授)
 
広報のための行動インサイト
山田 歩(滋賀県立大学 准教授)
 
広報メディア温故知新
飯田 豊(立命館大学 准教授)
 
【記者の本音からリリース術までMEDIA TOPICS】
元ディレクターが直接取材
テレビ番組制作者の本音
『サラメシ』
下矢一良(PRコンサルタント)
 
メディアの現場から
・ハースト婦人画報社『美しいキモノ』
・白泉社『kodomoe』
 
【新たな情報流通とコンテンツDIGITAL TOPICS】
データで見るPR動画の効果
日立建機/東急電鉄/小田原市役所 ほか
 
ウェブリスク24時
自社らしさ伝えるオウンドメディア
鶴野充茂(ビーンスター)
 
【広報担当者が知っておきたいRISK MANAGEMENT】
小説で学ぶクライシス対応
「広報担当者の事件簿」
佐々木政幸(アズソリューションズ)
 
【企業に求められるサステナビリティIR・CSR TOPICS】
担当者が語るIRの現場
カンロ
 
SDGs実践ノート
日本特殊陶業
 
ある日、IR担当者になったら
IRの学校SEASON2
【保存版】新任担当者必携!IR用語集 付き
大森慎一(バンカーズ)
 
【地域を変える発想とは地方創生とPR】
地域メディアの現場から
新潟放送(BSN)『新潟全県民バラエティ 水曜見ナイト』
 
地域活性のプロが指南
田北雅裕(九州大学大学院人間環境学研究院 専任講師)
 
【NEWS&DATA】
広報会議 パートナー一覧
 
周年イヤーの迎え方
ファミリーマート
 
大学広報ゼミナール
追手門学院大学
 
広報最前線
・経済広報センター
・日本広報学会
・日本パブリックリレーションズ協会
 
PRイベントの効果
HOYAアイケアカンパニー/コアラスリープジャパン/マップボックス・ジャパン ほか
 
映画で学ぶ広報術
『いだてん』
野呂エイシロウ(放送作家・PRコンサルタント)
 
BOOKS
 
メディア研究室訪問
東洋大学 薗部靖史ゼミ
 
【TOPICS】
データで読み解く企業ブランディング
企業広報戦略研究所
 
社会情報大学院大学
理念と行動を社会と共有し、
組織を導く広報・情報人材(修士)を育成