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コラム

燃えない、スベらない。パーパス・ブランディングの極意とは

第4回 ブランドパーパス起点の戦略・アイデアの考え方。最終回なので、ぜんぶ書きます。

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【前回】「意味のあるブランドパーパスは、どう発見するのか?~2つのインサイトがその鍵を握る~」はこちら

「ブランド」「世の中」「消費者」の3つの円

さて、いよいよ最終回。前回は、ブランドパーパスそのものや、パーパス起点のアイデアを考えるために、「ソーシャルインサイト」、「消費者インサイト」、そして「ブランド」の3つが重なる場所を、発見することについて書きました。

最終回は、より実践的に、「ブランドパーパス起点の具体的な戦略やアイデア」について考える場合を想定し、その考え方について話します。

いきなりですが概念を図示すると、下のようになります。3つの円。この図を下敷きに、お話しできればと思います。ちなみに、「具体的な戦略やアイデアよりも、まずはブランドパーパスそのものからじっくり考えたい。」という場合は、図の「ブランドパーパス」の部分を、単に「ブランド」に置き換えて考えてみてください。

ブランドパーパス起点で戦略やアイデアを立てる際にはベン図で整理すると分かりやすい。「ブランドパーパス」「ソーシャルインサイト」「消費者インサイト」すべてが重なると、強靭なアイデアが生まれやすい(筆者作成)。

ただし、実は具体的な戦略・アイデアを考える過程で、ブランドパーパスそのものも明らかになってくる場合が、とてもたくさんあります。もちろん、「ブランドパーパス」→「ブランドパーパス起点の戦略・アイデア」の順番で考える正攻法アプローチも重要ですが、かなり精度の高い抽象思考が必要です。ともすれば、正しいけれど、インスピレーションにも指針にも立ち戻る場所にもならない、ヌルいブランドパーパスが生まれる危険性も孕んでいます。

そのリスクを避けるという意味でも、逆の順番が実は有効だったりもします。

頭の片隅で、「ブランドの存在理由は何か?」に答えを出すことも意識しながら、まずは具体的な戦略・アイデアを考える。その過程で、だんだんとブランドパーパス自体も浮き彫りになってくる。

「具体的な戦略・アイデア = 今という時代に、ブランドは世の中に何を言うべきか・すべきかを考える」

「ブランドパーパス = その思考過程で、ブランドパーパスも明らかにする(明らかになる)」

という逆のプロセスも、実はおすすめだったりします。そうやって生まれたブランドパーパスは、高い解像度と強靭さを持ち、一過性で終わらず、その後も新たなアイデアを次々と生みだす起点になる。そんな実感もあります。

次ページ 「そこに、変えたい「常識」があるのか?」へ続く