誰の立場で語るのか?立ち戻るべき基本は、消費者の代弁者たること。
さらには、その語り方も大切です。語り方とは、ブランドは誰の立場を代弁するのか?という問題です。「常識なんか気にせず、自分らしく行こうよ!」と言っても、ともすれば誰かを追い詰めるだけになりかねない。あるいは「そうできないんだから悩んでるんですけど…」という反発すら受けかねない。
ブランドが立つべきスタンスをどこに置くのか?そのためには、しっかりと消費者インサイトを掴み、消費者が本当は何を言って欲しいのかを見極める必要があります。迷ったとき、立ち戻るべき基本は、「消費者の代弁者になる」ということ。そして、消費者と同じ目線に立って、「うれしい未来」を構想し、それについて語ることだと思います。
「Say」から「Do」へ。さらには「Be」へ。そして、”NOW FORM A BAND”
私の個人的な意見ですが、そこには様々な思惑や目的があるにせよ、基本的には、より多くの企業が、社会的な目線を持って、ブランドパーパス起点のコミュニケーションやブランドアクティヴィズムを行うことは、良いことなんじゃないかと思います。むしろ、そういう姿勢はこれからの時代にはますます必要不可欠になっていくと思います。また、別に社会性を帯びていなくても、誰かを助けよう、何か世の中で意味のある役割をはたそう、と思うことはブランドパーパスの根幹です。それが一過性の問題提起やメッセージの発信(Say)に終わらず、「うれしい未来」を現実化していくための行動になっていくこと(Do)、さらには、それが単発の行動で終わらず続いていくことで、社会実装され常態化していく(Be)。1回目のコラムでは、SayからDoへ。と書きましたが、さらにはBeへ。このSay → Do → Beのサイクルが拡大すればいいなあと思います。
“NOW FORM A BAND”
さて、最後に。全然違う話で終わります。1970年代多数のパンクバンドが現れ出したころと時を同じくして、多数のインディペンデントの音楽ジャーナリズムも勃興しました。その中にサイドバーンズという伝説の雑誌があります(雑誌というより、ものすごい手作りの同人誌)。その裏表紙に書かれたメッセージが、しびれます(興味ある人は、「sideburns zine」でググってみてください)。
AとEとGのたった3つのギターコードの横に手書きの文字。「これがひとつ目のコード」、「これが2つ目」、「で、これが3つ目」・・・。そして最後にひとこと「NOW FORM A BAND」(さあ、バンドを組もう)。
今日お話しした「ブランド」「世の中」「消費者」は、まさにブランドパーパスを起点としたコミュニケーションの3つのコード(のつもり)。もしこれが、より多くのマーケターやプランナーやクリエイターの方々が、世の中を少しでもポジティブに変えるものを作るきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。
それでは、駄文長文にお付き合いいただきありがとうございました!
「燃えない、スベらない。パーパス・ブランディングの極意とは」バックナンバー
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