そこに、変えたい「常識」があるのか?
では図に戻りましょう。まずは、左の「Social Insight」の部分からです。前回のソーシャルインサイトですね。前回は、時代・世の中の「歪み」と「兆し」からソーシャルインサイトを見つけるという話をしましたが、それは言い換えると、以下の2つの問いに答えることです。
・変えたい世の中の「常識」は何か?
・みんながうれしい未来は何か?
2018年から始めたパンテーンの就活キャンペーンには、「同調圧力によって強いられている、画一的な就活ヘア」というものが、「変えたい常識」として存在しました。そして、その常識がなくなった後の「みんながうれしい未来は何か」を考えると、それは「ひとりひとりが、自分らしい髪で臨める就活」だったのです。
このように、ルールや法律の有無問わず、何となく世の中の当たり前になっている、でも違和感のある慣習や決まり。時代に合わない法律。SDGsのように放置しておくと明らかにまずい問題。「変えたい」「変えなきゃ」と思える常識が、そもそもブランドとエージェンシーのチームの中で存在するかどうか?そして、その常識に取って代わる「みんながうれしい未来」を描けるかどうか。誰かにとってはうれしいけど、他の誰かを知らず知らずのうちに侮辱していたり追い詰めたり不幸にしたりする可能性がないかどうか。
チームの想いとして「変えたい常識」と「うれしい未来」がそもそも無ければ、無理にやる必要はないのです。(考えてみると、無理矢理な問題化と、未来の押し付けが、多くの炎上の原因になっているかも?)
課題を見つけ、未来を描き、誰かの気持ちを想像する。課題解決力よりも課題発見力。そして未来構想力。さらには人の気持ちを慮る想像力や共感力。これらをフル動員する必要があります。
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