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口紅、ファンデは20年より悪化 好調・不振の明暗色濃く

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総務省統計局が2月8日発表した家計調査・家計収支編で、2019年比の実質増減率で、外食・飲酒代をはじめ、21年の消費財では化粧品の口紅やファンデーション、婦人服などが、20年よりも悪化した。

一方、化粧水やハミガキなどは増加傾向。酒類ではいわゆる「家飲み」需要で、チューハイやカクテルが増加した。ビールも20年には及ばないが19年よりは増えている。食品では冷凍調理食品が伸びた。

2021年の消費行動に大きな影響が見られた主な品目。物価変動などを除く実質増減率

外食時の飲酒代は、アルコール提供の禁止などを受け、大打撃を被っている

2020年と2021年それぞれを新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年と比べた実質増減率で、20年より増減率は少ないものの、増えたのはパスタ(19年比11.2%増)や生鮮肉(同比6.5%増)。一方、外食は食事代、飲酒代それぞれが20年よりも下げている。特に飲酒代は、緊急事態宣言の発出で19年比76.7%減と、大打撃となった。食事代は同比27.0%減。

飲酒代の向き先になったことが伺えるのが、ビール、発泡酒・ビール風アルコール飲料(新ジャンル)、チューハイ・カクテル。物価変動などを考慮しない名目消費支出で各年を見ると、19年〜21年の二人以上世帯(勤労)で増加したのはチューハイ・カクテルだった。

チューハイなどは29歳以下で低下

ビールは29歳以下で伸びている

2020年の酒税法改正でビールは減税、新ジャンルは増税となったが、平均支出でも発泡酒・ビール風アルコール飲料は2020年のほうが多い。世帯主の年齢階級別では、ビールは29歳以下で19年比66.2%増、30歳代で同比22.3%増、50歳代で同比15.3%増となった一方、40歳以上では微増。伸び率では中高年層はチューハイ・カクテルのほうが大きく、世代差が出てきた。

マスクを着けることが常態化したことなどの影響を受けているのが、口紅やファンデーションだ。口紅は29歳以下を除いて、19年〜21年にかけて支出が半減している。ファンデーションも3割以上減らした。反対に伸ばしているのは化粧水やハミガキ。化粧水は伸び率では29歳以下が大きく、2021年は平均支出額が30歳代に並んだ。

口紅は20年に29歳以下で伸びたが、21年は大きく減少

ファンデは30歳代で20年よりは減少率が改善されている

ハミガキも同様で、29歳以下が19年比55.5%増、30歳代で同比22.1%増となった。マスクで口臭が気になったり、オンライン会議などで歯の色が気になったりして需要が生まれたとする見方もある。

ハミガキは70歳以上を除いて全体的に増加傾向にある

化粧水は中高年で横ばいだが29歳以下で増加、30歳代で微増

婦人服は特に高年齢で減少が大きい。29歳以下では増加

外出自粛で、交通費も大きく減らした。特に大きいのは航空運賃で、2021年は19年比74.7%減だった。いずれも21年はわずかに回復したものの、20年より広がったのはバス代で、20年は同比49.5%減から、21年は同比52.1%減となった。

教養娯楽ではパック旅行が壊滅的で、21年は19年比82.3%減。映画・演劇や文化施設、遊園地の入場料や、宿泊料も4〜5割減らしているものの、21年の減少率は20年よりわずかに低くなった。

2021年の消費支出(二人以上の世帯)の1世帯あたり月の平均支出は27万9024円で、20年比で実質0.7%の増加。しかし20年は、19年比で5.3%減となっており、全体では19年以前の水準には遠い。