デジタルメディアの健全な環境構築へ向けいかなる不正も絶対に許さない姿勢を

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月刊『宣伝会議』2022年7月号(6月1日発売)では「デジタル広告品質とコンテキストターゲティング」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

DoubleVerify Japan
日本法人代表
武田 隆氏

20年以上広告業界でグローバルブランドのマーケティングを担当した後、2012年Google Japan広告営業本部の執行役員に就任。ビデオ広告、ディスプレイ広告のソリューションを提供するチームを担当。2020年4月にDoubleVerify Japan日本法人代表に就任。

 

Q.「デジタル広告の品質」にかかわる領域で、もっとも注目している課題とは?

A.多様化するメディアの品質やパフォーマンスを、いかに包括的に測定・計測するか。

ユーザー生成コンテンツが大部分を占める場に広告が混在することで、ブランドセーフティやスータビリティ(適合性)に関する課題は、ますます大きなものになるでしょう。さらに、モバイルアプリやコネクテッドTV(CTV)など、メディア環境の多様化が進む中で、包括的にメディア品質およびパフォーマンスを測定・分析する必要があります。

その一方で、影響力のある大手プラットフォームによる情報制限があるのも事実です。そうしたプラットフォームと連携し、第三者の立場から透明性を持った測定・分析ができる環境をつくりたいと考えています。

また、Cookie時代の終焉を前にして、広告の効果について真剣に考え始める必要があり、本当に見られたのか、どのような環境で見られたのか、一つひとつのクリエイティブがどのようなパフォーマンスをしているのかを確認する必要があります。コンテキスト(文脈、背景)を考慮したコンテキストターゲティングや、クリエイティブがどのようなパフォーマンスをしているかを測るアテンション指標などが重要になってきます。

Q.デジタル広告品質に対して広告主企業が感じている課題意識とは?

A.品質に対する意識は高まっているが、「守り」の意識に留まるケースが多い。

広告主企業や広告会社、メディア企業など、デジタル広告の品質への意識は高まりつつあります。しかし、まだ「守り」という意識が強いのではないかと思うことも多々あります。ブランドセーフティは、広告掲載先の安全な品質確保が重要ですが、必要以上にブロックするのではなく、ブランドの商品やサービスに適合する掲載先には広告を出す「守り」と「攻め」のバランスを取ることが重要。そういう意味で、ブランドスータビリティ(適合性)という概念はより重視すべきだと思います。

当社のクライアントには、そのような意識を高く持っている広告主が多く、オーバーブロックすることなく守り(プロテクション)と攻め(スケール/リーチ)のバランスをとりながら、常にメディアプランの最適化を図る動きが見られています。

Q.デジタル広告品質の問題解決に向けて、取り組みたいことは?

A.より安心・安全で、盤石なエコシステムを構築したい。

デジタル広告のエコシステムをより強く、安全に、セキュアにすることで、デジタルメディアの健全な環境を構築したいです。そのためにはまず、このエコシステムにかかわる日本の広告主、広告会社、メディア企業などのさらなる意識改革が必要です。

業界全体として、すべての広告主がいかなる不正なトラフィックや、不適切なコンテンツへの配信を絶対に許さない強い姿勢を示すことが重要です。それが仮に数%でも広告主にとって大きな広告投資の損失であると同時に、広告業界の健全なエコシステムづくりにとっての足枷になってしまいます。また、ユーザーがつくるコンテンツ(UGC)が影響力を持ち、ニュースコンテンツに誤情報、偽情報が紛れ込んでいる現状においては、定期的にチェックをするだけでは不十分で常に目を光らせておく必要があります。

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