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Instagramは本当に効果ある? データで見るメディアミックス

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コロナ禍のほか、経済状況でも地殻変動が起きている。先々の不透明感が増すなか、成果を伸ばすためのメディアミックスを見直したいタイミングだ。ここ数年間で一般に普及した感のあるInstagramだが、マーケティングにどのような効果をもたらしているのか。ビデオリサーチが分析した。

「ほぼ毎日の利用」をベースに、InstagramやFacebookと、動画配信サービスAとを組み合わせて広告を出した場合の到達(リーチ)を分析した。トータル65.7%のリーチのうち、InstagramとFacebookだけでリーチできる割合は14.5%だった。動画サービスAのみのリーチは28.4%、双方で重複していたユーザーの割合は22.8%だった。

メタのサービスを加えたことによる、リーチの純増分を示した図
メタのサービスを加えたことによる、リーチの純増分を示した図

分析を手がけたビデオリサーチの吉田正寛氏は、「InstagramやFacebookはユーザー規模の大きなサービスですが、3割近くの純増があったのは驚いた点でした」と話す。一般的には、メジャーになればなるほど、純増分のリーチが出しづらくなるためだ。

「動画メディアとInstagramやFacebookのリーチは補完関係にあり、組み合わせて使うほうが効果的だと考えられます」(吉田氏)

クロスメディアキャンペーン
複数のメディアを活用した広告キャンペーン。一般に、単一のメディアで複数回接触するより、多様なメディアそれぞれで接触するほうが効果が増す。

テレビとのかけ合わせの効果をみると、認知からシェアに至る6つのフェーズでスコアが伸びた。特に〈広告への注目度〉、〈商品やサービスの印象度〉、〈商品購入〉の親和性が高い結果となった。データは、ビデオリサーチの生活者データベース「ACR/ex」によるもの。サンプルサイズは全国で1万700サンプル。「テレビのみ接触」「テレビと動画サービスA」「テレビとMeta(InstagramやFacebook)」の各ユーザーに「効果としての広告の印象にあてはまると感じるメディア」を挙げてもらった。

吉田氏
ビデオリサーチ 事業ディビジョン 企画推進ユニットPFビジネス推進グループ フェローの吉田正寛氏

「ターゲットや商材によって効果的なメディアの組み合わせは変わるものの、テレビ単体、あるいはテレビと動画サービスの組み合わせと、非常に異なる結果が出ました。Instagramにおいては、広告の特長として没入感が高いことがその背景かと思われます」(吉田氏)

Instagramは、中長期的なブランド利用やロイヤルユーザー化を促していることがわかった。同じく「ACR/ex」で行っている5500ブランドの定点調査が元となるデータ。今回Instagramで2021年~2022年に出稿が多かった商材について、直近3カ月利用率とロイヤルユーザー率(利用していて、かつ、今後も購入意向がある)の変化を算出した。すると、この間広告露出のあったInstagramのユーザーで顕著な伸びがみられた。

「単に利用だけでなく、ロイヤルティが高まる点が興味深いです」(吉田氏)

Instagramにおいて、広告認知や興味関心の獲得、ロイヤルティ形成を図る上でポイントとなるのは、次の3点だ。

  • ユーザー目線を意識した、Instagramらしい表現を行うこと
  • インタラクティブな機能を生かしてユーザーと対話すること
  • インフルエンサーを活用して外部の声をユーザーに届けること

「Instagramにおいては、広告として完成された表現よりも、リアルユーザーが投稿したようなUGC風のクリエイティブの方が共感を集めるトレンドが強まっている印象があります」と話すのは、Facebook Japanの岩崎譲二氏だ。

フェイスブックジャパン クライアントパートナーマネージャーの岩崎譲二氏
Facebook Japan クライアントパートナーマネージャーの岩崎譲二氏

「予算や時間をつぎ込んだ壮大な動画よりも、スマホで撮影したカジュアルな動画がパフォーマンスで勝った事例もあります。Instagramは手のひらに収まる画面で、利用者による投稿が集まって、ひとつの”文化”のようなものができています。その文化に合わせることが、利用者に寄り添ったコミュニケーションの第一歩です」(岩崎氏)

Instagramならではのインタラクティブ性を生かす広告では、AR(拡張現実)技術を活用した「ARカメラエフェクトや、広告上で任意のアンケートを実施できる「アンケートスタンプ」がある。

日本コカ・コーラ
日本コカ・コーラは2022年の夏季の大型キャンペーンの一環で、Instagramで音楽イベントに連動したARカメラエフェクトを活用した広告を実施した。
ユーザーの顔に楽器のようなデザインのサングラスを合成する、というシンプルなARだが、サングラスで顔が隠れることで投稿しやすくなる、2人以上でないと参加できない、といった、シェアやコミュニケーションを誘発する仕掛けを施している。

日産自動車
先進のパワートレインe-POWERを搭載したコンパクトSUV、新型「KICKS(キックス)」のキャンペーンでは、KICKSの特徴である電気の⼒強い加速や静粛性をオーディエンスに問いかけるアンケートスタンプを活⽤した広告やKICKSのWebサイトをInstagram上で簡易的に再現したインスタントエクスペリエンスを採⽤。
オーソドックスな動画広告にオーディエンスが⾃由にタップやスワイプして操作ができるインタラクティブなフォーマットを加えることで商品認知をした⼈が1.4倍となった。

インフルエンサーを活用した「ブランドコンテンツ広告」も、Instagramの特徴のひとつと言える。いわゆるインフルエンサータイアップ広告で、ブランドから発信したい内容を、ターゲット層が信頼し、ブランドにも親和性の高いインフルエンサーから伝えてもらうための、Instagram公式の機能だ。

「商品認知や興味、購入意向などにおいて、通常のブランド広告以上のパフォーマンスを発揮することがあります」(岩崎氏)

tricot (トリコ)
パーソナライズサプリブランド「FUJIMI」を提供するトリコは、Instagramクリエイターが購買行動に与える影響に着目し、通常のキャンペーン広告にブランドコンテンツ広告を加えて配信した。通常のキャンペーンと比べ、広告認知が8.3%、購買意向も1.7倍リフトした。
「コロナ禍でメディア接触率が上がった結果、課題としてさらに際立ったのが、コンテンツの消費を阻害するものとしてのオンライン広告です。Instagramは広告を見てもらえる傾向があるのですが、それは自分に向いている内容である、という指標が高いことからも伺えます」(吉田氏)

コロナ禍によるメディア接触時間の増大で、特に伸長したのはオンラインメディアだ。しかし吉田氏は、「2023年、24年に同じ傾向が続くかどうかは注視が必要です。地図が書き換えられれば、当然、最適なメディアプランニングも変わってきます」と指摘する。

ブランドパフマンスを高める「ブースター」フォーマット
Instagram利用率は、ステイホーム期間を経て、大きく伸びた。2022年の利用伸長率は2019年比で182%だった。SNSサービスAは同比167%、動画サービスAは同比130%だった

ビデオリサーチの調査では、2022年のメディア接触時間は、20年に増大したテレビが減少傾向を見せ、オンラインメディアはコロナ禍以前よりも増えた状態を維持している。SNSプラットフォーム別では、コロナ禍前後でいずれも増加したが、22年には落ち着きを見せている。その中で目を引くのは2022年も前年比でInstagramが伸びていることだ。

背景にはユーザーによるInstagramの利用方法の多様化がある。

「2017年には、『インスタ映え』が流行語大賞となり、見栄えのする写真を共有するプラットフォームだと認識された方は多いと思います。しかし現在では、テキストで有益な情報を提供する投稿が人気を博したり、自分のための商品やブランドのインスピレーションを得る場所、あるいは欲しい商品のリアルな情報を探す場所にもなっています」(岩崎氏)

時代に合わせ、写真や動画などの投稿からECサイトに誘導できる「商品タグ」などのコマース機能や、短尺動画の「リール」などの機能を追加したことで、「情報感度が高く、新しもの好きの人が集まっている。サービスをアジャイル的に進化させていくことで、ファン化していくという良い循環があるのではないでしょうか」(吉田氏)

吉田氏は、「一般論として、あれもこれもと多くのサービスを使い続ける人は少なく、気に入ったものに落ち着いていく」と話す。利用を始めても、それを続けるか、定着するかはまた別の問題だ。

社会・生活者・メディアが刻一刻と変化し続ける現在では、1年前の常識ですら古いものになっている可能性がある。自社のブランドやキャンペーン目的に応じて、サードパーティデータを活用しながら最適なメディアを再考し続けることが重要だ。

「Instagramに関しては、リーチ補完、ブランドとのエンゲージメントの強化や購入促進、中長期でのブランド成長と、利用者数や機能を考慮すると、あらゆる目的に対応できるプラットフォームに成長していると思います。Instagramを活用してブランドの成長を促す方法に関してはぜひ営業担当までご相談ください」(岩崎氏)



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