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サミット 服部社長が中期経営計画で目指す、「良い会社」と「強い会社」の真意

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月刊『販促会議』で連載されている新しい時代における流通・小売・サービス業界で、自ら事業を牽引するキーパーソンに迫る「シン・トップの現場力」。第6回はサミット 代表取締役社長 服部哲也氏。コロナ禍で確信した従業員の現場力や、サミットが目指す今後を聞いた。

※本記事は月刊『販促会議』8月号 に掲載されています。

事業ビジョンに共感し、自発的に動き始めた現場スタッフ

──まずは、サミットがどのようなスーパーマーケットなのか、改めて教えてください。

サミットは1963年創業。今年で60周年を迎えます。現在は東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で122店舗を展開しています。ドミナント戦略のもと、商圏地域のお客さまからの支持獲得を目指して営業してきました。

サミットの特長は住友商事の子会社として、誕生していること。住友の事業精神を受け、お客さまにも、社員へも「嘘のない」、誠実な商売を行ってきた歴史があります。

また、当社が創業した1960年代は日本でスーパーマーケットの存在が定着し始めた頃。その時から日本におけるスーパーマーケットという存在を学び、模索するなかで、他社からも“スーパーマーケットのお手本”として認識されるまでに成長しました。

写真 建物 サミット世田谷船橋店
世田谷船橋店の外観。

──服部さんがサミットの社長にご就任されたのは、コロナ禍の2020年でしたね。

その通りです。当時、前任の竹野が2017年から「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」というビジョンのもと、事業を進めていました。

「楽しくする」ためには、働く人も楽しくなければならない。スーパーマーケットとして、食中毒を出さない、品切れをさせない、清潔である等というのは当たり前のことですが、全てを決め事の枠の中に収めるのではなく、売場づくりや接客応対など、少し枠からはみ出し、創意工夫しても良いという考え方になりました。

2020年度から3年間の中期経営計画では、「スーパーマーケットの枠を超えた存在になること」にチャレンジすることを目標に掲げました。これは、買い物体験だけではないワクワクを提供するというものです。サミットが目指す姿を、社内全体への共有に注力したのがちょうどこの時でした。

とはいえ、全社員への浸透は一筋縄ではいかないのが正直なところ。店舗には正社員だけではなく、パートタイム・アルバイト社員もいます。事業ビジョン実現のためには、パートタイム・アルバイト社員も含めて、サミットのすべての人に共感してもらうことが大切だと考えていました。

そこで行ったのが、各店の店長へ向けた事業ビジョンの共有。トップから店長へ、店長から現場の社員へと、徐々にではありますが確実に伝えていくことで、多くの社員に共有され、共感されたのだと思います。

そうすると、各店舗の社員が事業ビジョンの実現のために自ら考えて行動するようになり、「買い物だけではないワクワク感」を体現できるようなイベントなども行われるようになりました。これはサミットの目指す姿が、共有され、共感した社員たちの連携に繋がり、それが自ら考えて行動することに繋がったのだと思います。

これまで培ってきたスーパーマーケットとしての基礎があったからこそ、プラスαの付加価値を提供できたのだと考えています。

──その矢先にやってきたのがコロナ禍だったのですね。

巣ごもり需要によってお客さまは増え、売上も増加したのですが、これまでやってきた接触を伴うイベント等ができなくなってしまいました。

それだけでなく、働けない社員が増える中、店頭はとても忙しくなり、社員の大きな負担になっていたと思います。特にレジ係はお客さまとの直接的な会話も発生するため、大きな不安もあったと思います。

私としても、普段の買い物体験にプラスした付加価値を提供したいと思っていましたが、現場で働いてくれている社員はお客さまと同じくらい大切な存在。「無理はしないでほしい」と伝えていました。

ですが、社員から返ってきたのは「せっかくここまで積み上げてきたので、続けたい!」という力強い答え。各店の社員で「今、サミットができること」を自ら考え、創意工夫していろいろな施策を実施してくれたのです。

コロナ前に掲げた「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」という事業ビジョンが浸透し、その実現のために実施してきたことが積み重なって、社員の主体性に繋がったのだと思います。

サミットを支えているのは現場の社員です。その社員たちが自ら考えて行動してくれていることには、とても感銘を受けました。

写真 人物 サミット服部社長

スーパーの頂に登るために稼ぐ力を持った会社になる

──基礎を築いたコロナ前、そしてコロナ禍で現場の主体性が一気に花開いたと思います。2023年はサミットをどのような店にしていきたいと考えておられますか。

2023年から、中期経営計画として「頂(イタダキ)2025~良い会社×強い会社=最強~」を掲げています。ここで大切にしているのは、“良い会社”でありながら、“強い会社”として成長することです。

「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」という事業ビジョンを掲げたところ、先述のように社員から自発的にアイデアが生まれ、コロナ禍の中でもそれが継続できたことを鑑みると、“良い会社”になれたと感じています。

ですが、それだけではスーパーマーケットの頂(サミット)にはたどり着くことは難しいはずです。だからこそ、今後は“良い会社”であることに磨きをかけていきながら、稼げる力も持てるようになっていかなければなりません。

――本記事の続きは、月刊『販促会議』8月号でお読みいただけます。

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